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「ぎっくり腰」はどんな場面で発症しやすい?【医師監修】

 公開日:2025/04/03
ぎっくり腰とは

ぎっくり腰とは、重い荷物をもった際やくしゃみをした際に発症する可能性があり、誰しも起こりえるものです。

自然に治るケースもありますが、非常に強い痛みが伴い、動くこともままならなくなることもあります。

未然に防ぐためにも、本記事ではぎっくり腰について詳しくご紹介します。

起こりやすい場面・他の病気の可能性なども解説するので、参考にしてください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

※この記事はMedical DOCにて『「ぎっくり腰」を発症する原因・治療期間はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

ぎっくり腰とは

腰痛の男性 lumbago

ぎっくり腰とはなんですか?

ぎっくり腰とは、腰痛のひとつであり、正式な病名ではありません。ぎっくり腰は、腰痛の中でも、急に起こった腰の痛みである急性腰痛症のことを指します。発症してから4週間以内のものを急性腰痛症というのです。
主に、腰の肉離れや腰椎の関節部分がずれてしまうことが原因で起こります。また、ぎっくり腰は、非特異的腰痛に分類されます。非特異的腰痛とは医師の診察や画像検査などを行っても、厳密に腰のどの組織が損傷しているかを断定できないものです。
反対に、断定できるものを特異的腰痛といいますが、腰痛のほとんどは非特異的腰痛です。腰痛は日本で最も身近な症状であり、全国で約3,000万人ほどの方が症状に悩んでいるといわれています。

ぎっくり腰はどのような場面で起こりやすいですか?

ぎっくり腰が起こりやすい場面としては、次のようなものが代表的です。

  • 重いものを持ち上げようとする場面
  • 腰をねじるなどの動作をする場面
  • くしゃみをする場面
  • 朝起きた直後
  • 上記のような急な動きを伴った場合に、ぎっくり腰になる可能性があります。しかし、必ずしも動いたことでぎっくり腰になるわけではなく、全く何もしない状況でも突然起こることがあります。

ぎっくり腰には病気の可能性はありませんか?

ぎっくり腰は、急性腰痛のひとつであるとご紹介しました。通常は発症から4週間以内で次第に改善がみられるものです。しかし、4週間以上痛みが続いたり下肢にしびれが表れたりする場合には、次のような病気の可能性が考えられます。

  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 癌による骨折
  • 背骨や軟骨の化膿

腰部脊柱管狭窄症とは、腰骨の加齢変化に伴い、腰の神経が圧迫されることで起こる病気です。高齢の方に多く、背筋が伸びている際や歩行中に、足の痛みやしびれを感じるといった症状が現れます。しかし、椅子に座って前かがみになっている状態・横向きで寝ている状態・自転車に乗っている状態では痛みを感じにくい傾向があります。
これは、背筋を伸ばした状態では腰の神経が圧迫されて血液循環が悪くなりますが、前かがみになると圧迫が解消されるためです。腰椎椎間板ヘルニアとは、椎間板が突出したり脱出したりして、腰の神経の神経根と呼ばれる部分が刺激されるために痛みが生じる病気です。
また、が転移することで弱くなった背骨の骨折が起こることでも腰痛が発生することがあります。さらに、菌の感染によって、背骨や軟骨の化膿などが起こり、それによって腰痛を発症することもあります。このように、ぎっくり腰だと思っていると、実は違う病気の可能性もあるため注意が必要です。

編集部まとめ

白背景の前に立って、腰に手を当てる男性ビジネスマン
ぎっくり腰はめずらしい症状ではありません。年代を問わず誰しも起こりえるものです。そのため、普段から姿勢などに注意して予防を行いましょう。

ぎっくり腰は市販薬などを服用して改善します。しかし、稀にぎっくり腰ではなく、他の病気が隠れている可能性があります。

早期発見のためにも、万が一ぎっくり腰になった場合には、病院を受診して原因を特定し治療を行いましょう。

この記事の監修医師

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