「腰椎分離症を放置する」とどんな「リスク」が発生するのか?注意点も医師が解説!
公開日:2025/11/08

腰痛が表れる病気と聞くと、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎狭窄症などの病気を思い浮かべるでしょう。しかし、年齢や状況によっては当てはまらない病気もあります。 スポーツをしている成長期のお子様が腰痛を訴えた場合、もしかしたら腰椎分離症を発症しているのかもしれません。 しかしあまり聞き慣れない病気のため、どのような症状かわからないこともあるでしょう。 ここでは、腰椎分離症の予後・放置するリスクを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「腰椎分離症」は放置すると危険?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
目次 -INDEX-
腰椎分離症の予後と放置するリスク
腰椎分離症は治りますか?
初期の場合は治ります。前述のとおり、腰椎分離症は骨の疲労による骨折です。硬性コルセットの着用による腰部の安静やスポーツや運動の中止により骨がつく見込みがあります。終末期の場合は骨がつく見込みはありません。
このような事態を避けるためにも、早期発見・早期治療が大切です。そして適切な治療を最後までしっかり受けることもポイントです。
このような事態を避けるためにも、早期発見・早期治療が大切です。そして適切な治療を最後までしっかり受けることもポイントです。
スポーツに復帰はできますか?
骨の状態によって異なるものの、復帰できることもあります。レントゲン撮影やCT検査にて骨の状態を確認します。骨がつく見込みがある場合は、復帰するためにも半年程度は治療に専念し、スポーツも中止しましょう。
半年程度と聞くと長いように感じますが、しっかり治すためには必要な機関と考えましょう。完治すれば、トラブルなくスポーツをすることができるでしょう。骨がつく見込みがない場合は医師と相談しながらスポーツに復帰します。
痛みがなくなった=治療終了ではありません。また腰部に強い負荷をかければ再発する可能性もあるため、復帰後は負荷がかからないものから再開すると良いでしょう。
半年程度と聞くと長いように感じますが、しっかり治すためには必要な機関と考えましょう。完治すれば、トラブルなくスポーツをすることができるでしょう。骨がつく見込みがない場合は医師と相談しながらスポーツに復帰します。
痛みがなくなった=治療終了ではありません。また腰部に強い負荷をかければ再発する可能性もあるため、復帰後は負荷がかからないものから再開すると良いでしょう。
やってはいけないことはありますか?
痛みを我慢しながらスポーツをやること・復帰後に腰部に強い負荷がかかる練習をすることは望ましくありません。
無理をすれば腰部に負荷がかかり、より症状が悪化、もしくは再発の可能性が高くなるでしょう。将来にも響く可能性があるため、まずは治療に専念しましょう。
無理をすれば腰部に負荷がかかり、より症状が悪化、もしくは再発の可能性が高くなるでしょう。将来にも響く可能性があるため、まずは治療に専念しましょう。
腰椎分離症を放置するリスクを教えてください。
痛みを我慢しながらスポーツや運動を続けるお子様もいるでしょう。しかし、痛みを我慢し放置すると終末期へと進行し骨がつく見込みがなくなり、スポーツや運動に支障をきたします。
また、成長期に腰椎分離症を発症すると骨年齢の成熟度にもよりますが、将来分離すべり症へ移行する危険性も高まります。分離すべり症とは、骨がずれる状態です。これをしっかり治療するには大がかりな手術が必要になるため、小さな痛みでも我慢せず速やかに受診することを強く勧めます。
また、成長期に腰椎分離症を発症すると骨年齢の成熟度にもよりますが、将来分離すべり症へ移行する危険性も高まります。分離すべり症とは、骨がずれる状態です。これをしっかり治療するには大がかりな手術が必要になるため、小さな痛みでも我慢せず速やかに受診することを強く勧めます。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
スポーツをしている成長期のお子様に多くみられる腰椎分離症ですが、治療には硬性コルセット着用やスポーツの制限期間も長く、不満を感じる場合もあるでしょう。また競技に復帰後、強い負荷をかけすぎて再発する可能性もあるため慎重に対応すべきです。
治療には、家族・友人・周囲の大人(学校の先生・スポーツ活動のコーチなど)・医療スタッフなどの手助けが必要です。話し合いながらできること及びできないことをピックアップし、競技のパフォーマンスアップに向けて正しく対応することが重要です。
治療には、家族・友人・周囲の大人(学校の先生・スポーツ活動のコーチなど)・医療スタッフなどの手助けが必要です。話し合いながらできること及びできないことをピックアップし、競技のパフォーマンスアップに向けて正しく対応することが重要です。
編集部まとめ
スポーツをしている成長期のお子様によくみられる腰椎分離症についてご紹介しました。
初期症状から痛みがあり気づきやすいですが、我慢することも少なくないでしょう。しかし、進行すれば骨がつく見込みがなくなり、スポーツができなくなる可能性があります。
また、小さな痛みから骨がずれる分離すべり症を発症する可能性もあります。そのため、早期発見・早期治療が非常に大切です。
速やかに治療をすることで完治が期待できる病気であるため、気が付いた段階で早めに受診しましょう。