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「腰椎分離症」の初期症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/04/01
腰椎分離症の症状と原因

腰痛が表れる病気と聞くと、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎狭窄症などの病気を思い浮かべるでしょう。しかし、年齢や状況によっては当てはまらない病気もあります。

スポーツをしている成長期のお子様が腰痛を訴えた場合、もしかしたら腰椎分離症を発症しているのかもしれません。

しかしあまり聞き慣れない病気のため、どのような症状かわからないこともあるでしょう。

ここでは、腰椎分離症の症状や原因を詳しく解説します。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

※この記事はMedical DOCにて『「腰椎分離症」は放置すると危険?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

腰椎分離症の症状と原因

野球場 左バッターのスイング

腰椎分離症はどのような病気ですか?

腰椎分離症とは、腰椎部位の疲労骨折のことです。後ろ部分にある橋状の椎弓(ついきゅう)に亀裂が生じることで2つに分離します。椎弓は細く弱いため、強い衝撃が繰り返し腰椎に加わることで分離しやすいのが特徴です。
第5腰椎という1番下の部位で頻繁に発症します。発症率はスポーツ選手の場合は30〜40%、一般の方は5%程度です。このことからも、スポーツをされている方はやっていない方と比べると確率が高いことがわかります。

症状を教えてください。

多くみられる症状は腰痛です。運動している時に表れますが、特に体を反らす・捻る動作で強めの腰痛が表れます。前かがみでも痛みが表れることもあり行動が制限されます。
普段の生活で痛みが出ないものの、体を動かしている時に痛みを強く感じる場合は腰椎分離症を疑っても良いでしょう。腰椎以外に下肢痛やしびれも表れます。

初期症状はどのようなものがありますか?

初期症状から腰痛が表れます。体を反らした時に限定された部位のみ痛みを感じるでしょう。
普段の生活では気づきにくく、運動中や運動が終わった後に腰部分に違和感を覚えます。この小さな痛みが今後を左右するため、少しでも違和感を覚えたら速やかに受診しましょう。

発症する原因は何でしょうか?

腰椎分離症は、前述のとおり腰部に強い衝撃(体を回旋する・飛んだり跳ねたりするなど)が繰り返し加わることで発症します。発症はスポーツをしている成長期のお子様に多いです。
野球・サッカー・卓球などほとんどのスポーツが原因で起こっています。成長期の骨は弱く、衝撃を受けやすいため腰椎分離症になりやすいです。お子様以外に大人のスポーツ選手でもみられ、毎日繰り返す練習により腰部に負荷がかかり発症しています。
ほとんどの場合、後天性(繰り返し衝撃が加わったことが原因)ですが、稀に先天性(生まれつき)の方もいます。しかし、体質によっては発症しない方もいるため、必ず発症するとは限りません。

編集部まとめ

スポーツ イメージ(部活・クラブ活動・習い事)
スポーツをしている成長期のお子様によくみられる腰椎分離症についてご紹介しました。

初期症状から痛みがあり気づきやすいですが、我慢することも少なくないでしょう。しかし、進行すれば骨がつく見込みがなくなり、スポーツができなくなる可能性があります。

また、小さな痛みから骨がずれる分離すべり症を発症する可能性もあります。そのため、早期発見・早期治療が非常に大切です。

速やかに治療をすることで完治が期待できる病気であるため、気が付いた段階で早めに受診しましょう。

この記事の監修医師

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