「むちうちの症状」は”事故から何時間後”に出る?放置リスクや治療法も医師が解説!

交通事故の後に現れる「むちうち」という症状を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
むちうちは追突事故や転倒の衝撃が引き金となり首に過度な負担が加わることによって発症します。専門的には「外傷性頚部症候群」と呼ばれている疾患です。
首の筋肉や靭帯が損傷することにより首や肩の痛みが現れ、ときには頭痛・吐き気・めまいなどの症状に悩まされることもあります。
むちうちの症状は多種多様ですので、その特徴・治療法・注意点について一緒に確認していきましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「むちうち」には4種類のタイプがあるってご存知ですか?治療中の過ごし方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
むちうちの特徴と治療方法

むちうちにはタイプがあると聞いたのですが…
- 頚椎捻挫型
- 神経根損傷型
- 脊髄損傷型
- 自律神経障害型(バレ・リーウー型)
むちうちの約8割が頚椎捻挫型です。レントゲン検査では異常はみられませんが、椎間板や靭帯が損傷している可能性があります。主な症状は、首や肩の筋肉の痛みです。肩が重い感じや動かしにくさを感じることもあります。
神経根損傷型のむちうちでは腕の強い痛みや知覚異常などが現れます。これは、腕の感覚をつかさどる神経が椎間板に挟まれて損傷することが原因です。腕の異常症状の他にも首を動かしたときや咳やくしゃみなどの衝撃により痛みが強く感じられることがあります。また、顔や頭の痛みや感覚異常がみられるケースもあります。
脊髄損傷型での特徴的な症状は手足の麻痺やしびれです。首や腕よりも四肢の症状が現れるのが特徴的です。そして歩行に支障が出たり、排泄しにくくなったりすることもあります。
自律神経障害型での症状は、頭痛・めまい・耳鳴り・吐き気などです。多くは後頭部の痛みを伴います。その他にも、視力や聴力に障害が出ることもあります。
むちうちはどのくらいで症状が出てきますか?
損傷部位が靱帯組織にまで及んでいた場合には、事故の直後から自覚できる強い痛みが現れるのが特徴です。この痛みは首や肩だけでなく後頭部や腕にまで及ぶことがあります。また、障害された部位や重症度によっては頭痛・倦怠感・イライラ・めまい・吐き気などの症状が現れることもあります。
むちうちを放置してしまうとどうなるのでしょうか?
回復が遅れれば日々の生活に支障が出ることもあるでしょう。また、重症度はレントゲンやMRI検査をしないと確認することができません。頚椎捻挫ではなく、頚椎の骨折や脱臼を起こしていることもあります。
この重症度によっては麻痺や視力障害などが引き起こされることもありますので、放置するのはとても危険です。肩や首の痛み・違和感がある場合はもちろん、事故の後に吐き気・めまい・頭痛などがある場合にも速やかに整形外科を受診してください。
むちうちの治療方法を教えて下さい。
多くの場合、2~3週間ほどで自然に痛みが治まってきますが、人によっては1〜3か月ほど痛みが続くケースもあります。痛みに対しては、痛み止めや筋肉の緊張を緩和する飲み薬・塗り薬・湿布薬で対応します。
それに加えて、リハビリテーションを行うのが一般的です。そして患部を温める温熱療法は、痛みの緩和や筋肉の緊張緩和に役立ちます。また、首や肩のストレッチ・マッサージ・体操も有効です。理学療法士とともに痛みに配慮しながら温熱療法・ストレッチ・マッサージ・体操などのリハビリテーションを行っていきましょう。
編集部まとめ

今回は自動車事故やスポーツによって引き起こされる「むちうち」について解説しました。
首や肩の痛みが日常的に続くのは、とてもつらいことです。
たとえ我慢できる痛みでも放置することは症状の長期化に繋がります。早期に受診することを心がけましょう。また、患部の安静を保つだけでなく、温めたりマッサージしたりすることも症状の緩和に役立ちます。
理学療法士とともにリハビリテーションを積極的に行っていきましょう。症状が長期化すると不安な気持ちも膨らむと思いますが、心配なことがあればひとりで抱え込まずに専門機関に相談してみてください。
参考文献