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「光線過敏症はアナフィラキシー」を起こす可能性がある?症状と予防法も解説!

 公開日:2025/12/07
「光線過敏症はアナフィラキシー」を起こす可能性がある?症状と予防法も解説!

日の光に当たると顔や手に発疹が出たり、湿布を貼っている箇所がかぶれたりしたことはありませんか。

単に薬剤が肌や身体と合わない場合もありますが、日の光に当たることで症状が出る場合、光線過敏症かもしれません。

光線過敏症とは特定の薬剤が日の光、すなわち紫外線と反応することでかぶれ・発疹・水ぶくれなどの症状が起こることをいいます。

1度光線過敏症にかかってしまうと、治ることは容易ではなく決して軽視できない症状です。今回は光線過敏症の原因から治療・予防法まで、詳しく解説いたします。

※この記事はメディカルドックにて『「光線過敏症」の原因・予防法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

光線過敏症の予後と予防

紫外線対策

光線過敏症は何日くらいで治りますか?

原因薬剤の使用を中止し、副腎皮質ホルモン外用剤・内服薬を用いることで症状を抑えられますが、根気強く治療を行っていくことが大切です。症状がみられなくなったからといって油断してしまうと、再び症状があらわれてしまうことも考えられます。
原因となる薬剤の使用を中止しても体内組織に薬剤が残っていることが多く、数ヶ月経ってから急に症状があらわれることも少なくありません。
光線過敏症は治療したからといってすぐに症状がなくなることは考えにくく、長期に渡って症状が続くのです。

悪化するとどうなるのでしょうか?

リンパ節が腫れたり、皮膚の一部分だけだった箇所が全身に広がったりすることがあります。発熱や息苦しさなどの症状が出ることもあり、症状がひどい場合には早急に医師へ相談しましょう。
かぶれや痒みが引き金となり急性の過敏症状であるアナフィラキシーを引き起こすこともあります。腹痛・吐き気・視覚異常などのショック症状が起こり大変危険です。
そもそも悪化させないことを念頭に置き、アナフィラキシーのような症状が出てしまう場合は迷わず医療機関へ行きましょう。

光線過敏症を予防する方法はありますか?

湿布などの貼り薬・内服薬でも、処方されたらきちんと医師や薬剤師の説明をよく聞き正しく使いましょう。使う際には、使い方が間違っていないかをよく確認してください。薬剤を使用していて痒くなったり発疹が出たりした場合は、すぐに使用を中断してください。
医師や薬剤師からの説明があったとしても、聞いたことを忘れていたり聞いていなかったりなどということがよくあるものです。薬剤を使用する際は、家族や第三者と一緒に確認しましょう。わからないことがあった場合もそのままにせず、必ず医師や薬剤師に聞いてください。
また、先述したように部屋の中の遮光を行い、外出時は帽子や日傘を使用しなるべく肌が紫外線に当たらないように注意しましょう。そして屋外へ出るときはもちろん、室内にも紫外線は入ってくるので日焼け止めの使用を忘れないようにしてください。
日焼け止めは1日1回塗ったらよいかといえばそうではなく、汗や皮脂で落ちてしまうこともあるので2〜3時間おきに塗り直しましょう。
ポルフィリン症の場合も遮光を行い、βカロチンの内服が予防に有効であるとされています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

オゾン層の破壊が進む中、地表に届くUVA波とUVB波の紫外線量が増加していることも、光線過敏症が増加している要因でもあります。どの薬剤が原因となり、光線過敏症を引き起こしてしまうかは人それぞれです。光線過敏症の症状を起こさないためにも、湿布薬を貼ったまま紫外線に当たらない、外出時には紫外線対策をしっかり行い、まずは予防をしましょう。
光線過敏症の症状が出てしまった場合、治療期間は長期に渡る可能性が高いです。痒みやかぶれなどの症状も辛いですが、皮膚にあらわれることで見た目にも変化があるため心情も辛いものがあるでしょう。
患者さん本人の頑張りも大切ですが、周りの精神的な部分のサポートも大切となってきます。

編集部まとめ

手に浮かぶハート
1度光線過敏症にかかってしまうと、改善はなかなか難しいものです。

痒みやかぶれが起こっている状態は単なるものではなく、原因物質が引き起こす光線過敏症かもしれません。

疑わしいと感じたらまずは皮膚科専門医にて、しっかり検査を行いましょう。

そして光線過敏症を引き起こさないためにも薬剤は正しく使用し、日頃から紫外線対策を行い予防をしていきましょう。

この記事の監修医師

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