「子宮体がん」の初期症状や出血の特徴はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/02/27

女性特有の子宮がんは、他のがんとの罹患数を比べても常に上位に位置しています。2019年の部位別がん罹患数では、8位でした。
子宮がんは子宮頸がん・子宮体がんに分かれますが、子宮体がんの方の罹患数が多く年々増加傾向にあります。
この記事では、「子宮体がんかもしれない」「子宮体がんと診断されたがこれからどうなっていくのだろう」と不安を抱えている方に、子宮体がんの症状・ステージなどを詳しくご紹介いたします。
※この記事はMedical DOCにて『「子宮体がん」の初期症状や出血の特徴はご存知ですか?ステージについても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
目次 -INDEX-
子宮体がんはどのような病気?
子宮体がんはどのような病気でしょうか?
子宮は、妊娠した際に胎児を育てる部分である子宮体部と、分娩の際に児の通る産道の一部である子宮頸部とに分かれます。
その子宮体部の内側は子宮内膜という粘膜で覆われており、その子宮内膜から発生するがんが子宮体がん(子宮内膜がん)です。
子宮体がんは、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)ががんの発生に関わっている依存性のⅠ型と、エストロゲンに関係なく発生する非依存性のⅡ型に分けられます。子宮内膜は、月経がくるたびに剝がれ落ちて代謝される組織です。
月経がある年代の人の羅患は比較的少なく、40歳代後半から徐々に増加し、閉経後の50〜60歳代が最も多いですに最も多くなります。
しかし、最近は若い女性の罹患も少なくありません。また、子宮体がんは妊娠・出産回数が少ない場合に発症率が高くなると言うデータがあります。
その子宮体部の内側は子宮内膜という粘膜で覆われており、その子宮内膜から発生するがんが子宮体がん(子宮内膜がん)です。
子宮体がんは、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)ががんの発生に関わっている依存性のⅠ型と、エストロゲンに関係なく発生する非依存性のⅡ型に分けられます。子宮内膜は、月経がくるたびに剝がれ落ちて代謝される組織です。
月経がある年代の人の羅患は比較的少なく、40歳代後半から徐々に増加し、閉経後の50〜60歳代が最も多いですに最も多くなります。
しかし、最近は若い女性の罹患も少なくありません。また、子宮体がんは妊娠・出産回数が少ない場合に発症率が高くなると言うデータがあります。
初期症状を教えてください。
初期症状として最も多いのは性器からの不正出血で、子宮体がんの患者さんの90%は、不正出血による受診によってがんが発見されています。
この不正出血は、褐色・ピンク色のおりもので気付くケースが多くみられます。
月経期以外での出血・閉経後の出血がみられた場合には、子宮体がんの疑いも考えてすぐに受診しましょう。
この不正出血は、褐色・ピンク色のおりもので気付くケースが多くみられます。
月経期以外での出血・閉経後の出血がみられた場合には、子宮体がんの疑いも考えてすぐに受診しましょう。
子宮体がんの出血の特徴を教えてください。
子宮体がんの不正出血の多くは、褐色・ピンク色のおりもの(薄く血が混ざった状態)です。
出血の起こり方の特徴としては、3つあります。
1つ目は月経期以外の不正出血です。月経には月経期(月経が起こる時期)があり、通常はその月経期に月経が起こりますが、がんがある場合は月経期以外の時期にも出血がみられることがあります。
2つ目は月経の周期の乱れ・月経量の増加です。月経周期が不規則になり、月経日数も長く続くときもあれば短く終わってしまう時もあります。月経量もその時々で多かったり少なかったりと変化がみられます。
3つ目は閉経後の出血です。閉経すると月経は止まりますが、がんがある場合は閉経後も出血がみられることがあります。
出血の起こり方の特徴としては、3つあります。
1つ目は月経期以外の不正出血です。月経には月経期(月経が起こる時期)があり、通常はその月経期に月経が起こりますが、がんがある場合は月経期以外の時期にも出血がみられることがあります。
2つ目は月経の周期の乱れ・月経量の増加です。月経周期が不規則になり、月経日数も長く続くときもあれば短く終わってしまう時もあります。月経量もその時々で多かったり少なかったりと変化がみられます。
3つ目は閉経後の出血です。閉経すると月経は止まりますが、がんがある場合は閉経後も出血がみられることがあります。
進行した場合はどのような症状がありますか?
子宮体がんがさらに進行して大きくなると、下腹部に痛みを生じるようになります。そして、がんが周囲の臓器に浸潤・転移を起こして進行していきます。
がんが子宮近くの直腸・膀胱に達した場合の症状は、頻尿・便秘・血尿・血便に加え、尿・便が子宮に流れ込むことで膣からの悪臭などです。さらに進行すると、他の臓器へがんが転移(遠隔転移)します。
腎臓に転移した場合の症状は排尿時痛・排尿困難・尿閉で、腰の近くの骨に転移した場合の症状は腰痛です。そして、肺に転移した場合は呼吸苦、脳に転移した場合は頭痛・吐き気がみられます。
このように、浸潤・転移する臓器によって症状に違いがみられます。
がんが子宮近くの直腸・膀胱に達した場合の症状は、頻尿・便秘・血尿・血便に加え、尿・便が子宮に流れ込むことで膣からの悪臭などです。さらに進行すると、他の臓器へがんが転移(遠隔転移)します。
腎臓に転移した場合の症状は排尿時痛・排尿困難・尿閉で、腰の近くの骨に転移した場合の症状は腰痛です。そして、肺に転移した場合は呼吸苦、脳に転移した場合は頭痛・吐き気がみられます。
このように、浸潤・転移する臓器によって症状に違いがみられます。
編集部まとめ
子宮体がんの症状・ステージ・予後についてご紹介いたしました。閉経後の女性に多い病気ではありますが、閉経前の女性・若い女性も増加傾向にあります。
子宮体がんは定期健診がありません。しかし、他のがんと同様に、早期発見が遅れると完治の可能性も低くなります。
初期症状に気付いた場合は、「ただの生理不順かな」「閉経が近いのかな」などと自己判断して放置せずに、早めに病院を受診しましょう。