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「埋伏歯が歯並びにどのような影響を与える」のかご存じですか?医師が解説!

 公開日:2025/11/23
「埋伏歯が歯並びにどのような影響を与える」のかご存じですか?医師が解説!

埋伏歯は、一般的に「歯肉に埋まってしまっている永久歯」のことをいいます。乳歯とは違い自然と抜けることはないため、埋まっていてもそのままです。 正常に生えてこない永久歯ですが、これが口の中や他の歯にどういった影響を与えるのでしょうか?実は、他の健康な歯にも影響を与える可能性があるのです。 ここでは、埋伏歯の特徴や原因について解説します。また、診断方法と治療方法についてもご紹介します。

※この記事はメディカルドックにて『「埋伏歯」の原因・治療法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

埋伏歯で気を付けること

歯が気になる女性

埋伏歯が原因で口腔内に炎症が起こることがありますか。

半埋伏歯の場合、歯磨きが行き届かず汚れが溜まることが多いため、歯肉炎や虫歯を発症することが多いです。この半埋伏歯が智歯だった場合、「智歯周囲炎」と診断されることもあります。この炎症が埋伏歯の周囲だけでなく顎や口の中まで広がると、顔が腫れるといった見た目にも影響する症状が出ます。炎症が重症化すると開口障害になることもあるため、腫れが認められた時点で歯科医を受診するようにしましょう。完全埋伏歯の場合、炎症よりも膿の詰まった袋を形成することがあり、顎の骨と埋伏歯の間に腫瘍を形成することもあります。歯が生えていない部分の歯肉に腫れやできもののような突起を感じる場合、歯科医の受診を検討しましょう。

埋伏歯が歯並びに影響を与えることがありますか。

埋伏歯の方向や状態によっては、歯並びに影響を与えることがあります。埋伏歯が本来生えるはずだったスペースは、正常に生えてこないことによって空いたままです。その空いたスペースには、周りの歯が少しずつずれこんできます。それによって歯が倒れこんだり、かみ合わせが悪くなったりします。また、スペースが空いたままなら生えてくるはずだったのにスペースがなくなってしまい、結果として埋伏歯になることもあります。この場合は歯列を切開し、埋伏歯を牽引して歯列を治す手法が取られることが多いです。ただし、埋伏歯と他の歯の歯根の状態次第では、抜歯が行われることもあります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

埋伏歯は、放置しておくと他の健康な歯に影響を与えることがあるため、見つけたら対処を考えたほうが良いでしょう。歯の定期検診などで埋伏歯を見つけたら、担当医とどう対応するのかを相談してください。ただし、埋伏歯全てに抜歯や牽引などの治療が必要なわけではありません。特に問題がないと判断された場合は、治療を行わないことが多いです。ですが、それを判断できるのは歯科医です。一見して特に影響がないと思われる半埋伏歯でも、見えない部分が正常でない場合があります。自分だけで判断せず、歯科医に相談するようにしましょう。

編集部まとめ

歯のレントゲン写真を説明する医師 智歯(おやしらず)など永久歯がうまく生えてこず、一部または完全に埋まってしまっている場合は埋伏歯です。 特に気をつけたいのは半埋伏歯です。歯が一部露出しているため、日々のケアで磨き残しをしてしまい、炎症や虫歯を引き起こすリスクがあります。 全ての埋伏歯に治療が必要というわけではありませんが、目に見えない部分が影響を与えている可能性があります。 治療するかどうか判断するには、レントゲンなどの画像診断が必要です。歯科医に相談して、埋伏歯にどう対処するのかを検討しましょう。

この記事の監修医師

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