「亜鉛欠乏症の治療法」はご存知ですか?治療期間も解説!【医師監修】
公開日:2024/11/12
「最近、抜け毛が増えた」「味覚が変な感じがする」と感じる人は、亜鉛欠乏症かもしれません。
亜鉛は人体に約2〜3gある生活する上で欠かせないミネラルで、ドラッグストアでも亜鉛のサプリが多く販売されています。
しかし亜鉛を意識して摂取していない人も多く、特に妊婦・授乳中の親・運動している人は亜鉛が不足した状態になりやすいです。
この記事では、亜鉛が不足して不調をきたす亜鉛欠乏症の症状・原因・治療・予防法・受診について解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「亜鉛欠乏症」になると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
目次 -INDEX-
亜鉛欠乏症の受診と治療
亜鉛欠乏症を疑う場合は何科を受診すれば良いでしょうか?
亜鉛欠乏症かもしれないと悩まれている人はまず内科を受診しましょう。
皮膚炎・脱毛・貧血・味覚障害・発育障害・性腺機能不全・下痢・骨粗鬆症・易感染の1つだけでなく3〜4つ以上など複数当てはまった場合は亜鉛欠乏症の確率が高く、乳児・小児に症状が出た場合は内科ではなく小児科の医師に相談してください。
また味覚障害が持続する場合は亜鉛不足だけでなくコロナウイルス感染による症状も考えられるので、気になる人は耳鼻科へ受診するのも1つの手段です。
皮膚炎・脱毛・貧血・味覚障害・発育障害・性腺機能不全・下痢・骨粗鬆症・易感染の1つだけでなく3〜4つ以上など複数当てはまった場合は亜鉛欠乏症の確率が高く、乳児・小児に症状が出た場合は内科ではなく小児科の医師に相談してください。
また味覚障害が持続する場合は亜鉛不足だけでなくコロナウイルス感染による症状も考えられるので、気になる人は耳鼻科へ受診するのも1つの手段です。
どのような検査で診断されますか?
亜鉛欠乏症は臨床症状・血液検査・サプリ投与による効果の有無の3つから診断をつけます。
皮膚炎・脱毛・貧血・味覚障害・発育障害・性腺機能不全・下痢・骨粗鬆症・易感染の症状から1つ以上当てはまること、あるいは血清ALP高値・血清亜鉛低値(60µg/dL未満)・亜鉛サプリ投与にて症状の改善がみられることで亜鉛欠乏症と確定診断がつきます。
また血清亜鉛が60〜80µg/dLだった場合は潜在性亜鉛欠乏症の対象です。
皮膚炎・脱毛・貧血・味覚障害・発育障害・性腺機能不全・下痢・骨粗鬆症・易感染の症状から1つ以上当てはまること、あるいは血清ALP高値・血清亜鉛低値(60µg/dL未満)・亜鉛サプリ投与にて症状の改善がみられることで亜鉛欠乏症と確定診断がつきます。
また血清亜鉛が60〜80µg/dLだった場合は潜在性亜鉛欠乏症の対象です。
治療方法を教えてください。
亜鉛欠乏症と診断された場合は、積極的に亜鉛を含む食材の摂取を勧めますが食事療法だけでは改善せず内服治療となることが多いです。
亜鉛の摂取量は年齢によって異なり、乳幼児・小児は1〜3mg/ kg/日を目安とし、幼児は25〜50mg/日・学童〜成人は50〜150mg/日の内服を行います。
また慢性肝疾患・糖尿病・慢性腎不全などの持病を持っている人は血液検査で亜鉛値が低下傾向にありますが、明らかな亜鉛欠乏所見がなくとも亜鉛を投与することで症状の改善がみられることもあります。
しかし、亜鉛投与の際は副作用に注意しなければなりません。嘔気・嘔吐・腹痛などの消化器症状、銅欠乏による神経障害、鉄欠乏による貧血などの症状が出る可能性があります。しかし副作用が出現する確率は低く、いずれも軽症なので内服を中断するほどにまで至りません。
数ヶ月毎に血液検査を行いながら、内服の可否を相談しつつ行っていくのが一般的な亜鉛欠乏症の治療法になります。
亜鉛の摂取量は年齢によって異なり、乳幼児・小児は1〜3mg/ kg/日を目安とし、幼児は25〜50mg/日・学童〜成人は50〜150mg/日の内服を行います。
また慢性肝疾患・糖尿病・慢性腎不全などの持病を持っている人は血液検査で亜鉛値が低下傾向にありますが、明らかな亜鉛欠乏所見がなくとも亜鉛を投与することで症状の改善がみられることもあります。
しかし、亜鉛投与の際は副作用に注意しなければなりません。嘔気・嘔吐・腹痛などの消化器症状、銅欠乏による神経障害、鉄欠乏による貧血などの症状が出る可能性があります。しかし副作用が出現する確率は低く、いずれも軽症なので内服を中断するほどにまで至りません。
数ヶ月毎に血液検査を行いながら、内服の可否を相談しつつ行っていくのが一般的な亜鉛欠乏症の治療法になります。
亜鉛欠乏症の治療期間はどのくらいでしょうか?
亜鉛欠乏症の治療期間は明確な日数がありませんが、1日で改善されるものではありません。最低でも数週間、数ヶ月は継続して内服治療を行うことで症状の改善が見込まれます。
しかし内服治療は継続が必要不可欠なので、症状が落ち着いたからと自己判断で内服を中断しないよう注意しましょう。
しかし内服治療は継続が必要不可欠なので、症状が落ち着いたからと自己判断で内服を中断しないよう注意しましょう。
編集部まとめ
亜鉛は骨・歯・皮膚など体の様々な場所に存在する大切なミネラルです。亜鉛が不足すると脱毛・皮膚炎・発育障害など多岐にわたり影響が出ます。
亜鉛欠乏症の発症を予防するためにも、日頃から食事内容を意識して亜鉛を取り入れるようにしましょう。食事だけで難しい場合はサプリメントで補うことも可能です。
亜鉛不足により症状が出現した際には医療機関へ受診し、医師に相談してください。
参考文献