「過眠症は完治する」のかご存じですか?予後について医師が解説!
公開日:2025/11/15

寝たいわけではないのに、寝てはいけない場面であることは理解しているのに、どうしても強い眠気を感じてしまったり、居眠りをしてしまったりする過眠症。 それゆえに、周りから冷たい視線を向けられたり、いじめられてしまったりする方も少なくありません。 この記事では過眠症は完治するのかや、日常生活での注意点などについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「過眠症」の初期症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
プロフィールをもっと見る
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
過眠症の予後と注意点
過眠症は完治するのでしょうか?
2022年10月時点では、ナルコレプシーや特発性過眠症などの過眠症を根本的に完治させる治療法は確立されていません。しかし、日々の睡眠時間の確保・睡眠に影響を及ぼす成分摂取の制限・薬剤治療などを行うことで、日中の眠気が落ち着いたり居眠りの回数が減ったりするなど改善傾向に進むことがあります。
睡眠時無呼吸症候群やうつ病などの病気による眠気である場合は、それらに対する治療を行うことで過眠の症状が落ち着く可能性がありますので、先生の指示に従って治療を行いましょう。
睡眠時無呼吸症候群やうつ病などの病気による眠気である場合は、それらに対する治療を行うことで過眠の症状が落ち着く可能性がありますので、先生の指示に従って治療を行いましょう。
過眠症と診断された場合に日常生活で注意することを教えてください。
過眠症を発症していると、夜間に十分な睡眠をとっていても日中に強烈な眠気を感じたり、居眠りをしてしまったりすることがあります。学生であれば勉学に身が入らないだけでなく、授業中に居眠りをしてしまうことで学業不振に陥ってしまうことが考えられます。また、仕事をしている方であれば会議や商談に集中できず判断ミスをしてしまったり、居眠り運転や転落・転倒事故を引き起こす原因になってしまったりすることもあるかもしれません。
しかし、それらは怠慢や注意不足からくるものではなく、過眠症やそのほかの病気からくるものです。過眠症と診断されたら、周りの方から理解や協力を得ることがとても大切です。学校や会社などと相談し、医療機関の先生と協力しながら自身にあった方法を見つけていきましょう。
しかし、それらは怠慢や注意不足からくるものではなく、過眠症やそのほかの病気からくるものです。過眠症と診断されたら、周りの方から理解や協力を得ることがとても大切です。学校や会社などと相談し、医療機関の先生と協力しながら自身にあった方法を見つけていきましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
寝てはいけないタイミングであることは理解しているのに、強い眠気や気づかないうちに居眠りしてしまうことで、周りからの冷たい視線やいじめ・冷やかしに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。しかし、過眠症は「怠慢」ではなく、概念が確立された「病気」です。しっかりと治療をすることで過眠症の症状を緩和させることができますし、過眠を引き起こす原因によっては症状が落ち着くこともあります。そのため、過眠症を疑ったらまずは医療機関を受診し、専門の先生に相談するようにしましょう。
編集部まとめ
過眠症は自分の意思に関係なく、ウトウトしてしまったり居眠りをしてしまったりする病気です。日中の眠気は睡眠不足からくるものが大半であることから、周囲の方から理解を得られず悩んでいる方も少なくありません。
夜間にしっかりと睡眠時間を確保しているのにもかかわらず、日中に強い眠気や居眠りを繰り返してしまう場合には、心療内科や精神科・脳神経内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉科を始めとする診療科がある医療機関を受診しましょう。
参考文献