「コレラが流行しやすい国」はご存知ですか?予防法も医師が解説!
公開日:2025/11/27

コレラは、世界中に広がる感染症です。日本国内で感染する例は極めて少ないですが、海外渡航中に感染するなど日本人も感染しています。
この記事では、感染しないようにするためにはどのように予防すれば良いのかについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「コレラ」の症状・感染経路はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
コレラの予防方法

コレラが流行しやすい国はどこですか?
流行しやすい国は、主にアフリカ・アジア・中南米の一部の地域です。
1817年に始まった第1次世界流行から第6次世界流行までは、全てインドのベンガル地域から世界中に広がりました。
現代において世界中に広がっているエルトールコレラ菌は、インドネシアのセレベス島が発生地域とされています。コレラは世界各地に広がっていますが、衛生環境が整っておらず安全な水の供給が行われていない地域で特に発生しやすい感染症です。
日本人の海外感染における推定感染地として多い国は、インド・フィリピン・インドネシア・パキスタンなどが挙げられます。これらの国に渡航される場合には、感染しないように十分に注意しましょう。
1817年に始まった第1次世界流行から第6次世界流行までは、全てインドのベンガル地域から世界中に広がりました。
現代において世界中に広がっているエルトールコレラ菌は、インドネシアのセレベス島が発生地域とされています。コレラは世界各地に広がっていますが、衛生環境が整っておらず安全な水の供給が行われていない地域で特に発生しやすい感染症です。
日本人の海外感染における推定感染地として多い国は、インド・フィリピン・インドネシア・パキスタンなどが挙げられます。これらの国に渡航される場合には、感染しないように十分に注意しましょう。
コレラを予防する方法はありますか?
コレラは、汚染された水・食品を口にすることで感染する病気です。流行している国に旅行・滞在する場合は特に以下のことに注意しましょう。
- 生水・氷・生の生鮮食品を口にしない
- 十分に加熱したものを食べる
- 水・牛乳は一度沸騰させてから冷ましたものを飲む
- 安全な水から作ったことが確認できる氷以外の氷は避ける
- 野菜や果物は自分で皮を剥いたものを食べる
- 食事・調理の前・トイレの後は必ず手を洗う
- プール・川などに入る場合は、誤って水を口にしないように注意する
食べ物や飲み物に気を付けていても、誤って口に入ってしまったプールの水から感染した例もあります。コレラの流行地に行く場合は、こまめに手を洗い、飲食物・水に注意することが予防として重要です。
経口コレラワクチンが使用されている例もありますが、日本では承認されている経口コレラワクチンはありません。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
コレラは、世界で流行している感染症です。日本国内で感染する可能性は低いですが、海外滞在中に感染する可能性は十分にあります。
しかし、コレラは大半の人が適切な治療で治る病気です。
まずは感染を未然に防ぐことが大切ですから、流行地に行かれる際は予防に努め、万が一感染が疑われる場合には速やかに受診しましょう。
しかし、コレラは大半の人が適切な治療で治る病気です。
まずは感染を未然に防ぐことが大切ですから、流行地に行かれる際は予防に努め、万が一感染が疑われる場合には速やかに受診しましょう。
編集部まとめ

コレラと聞くと、命に関わる怖い感染症とイメージしている人も少なくないかもしれません。
しかし、現代では19世紀以前に多くの人が亡くなったものとは異なり、死亡率は2%と非常に低くなっています。
コレラは、適切な治療で治る病気です。適切な予防・対処がとれるように理解を深めておきましょう。
ただし、重症化する場合もあり死に至る可能性もゼロではありません。胃を切除された方・高齢の方は、重症化リスクが特に高いとされています。
命を守るためにも重症化リスクを抱えている人は、万が一の場合には速やかに医師に相談してください。
参考文献