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「智歯周囲炎の治療」で入院の可能性も?治療中の注意点や予防法を医師が解説!

 公開日:2025/12/08
「智歯周囲炎の治療」で入院の可能性も?治療中の注意点や予防法を医師が解説!

智歯周囲炎は歯の病気です。しかし、聞き慣れない方は多いかもしれません。智歯周囲炎の「智歯」とはいわゆる「親知らず」のことです。

つまり智歯周囲炎とは親知らずの周りの炎症ということになります。親知らずの周囲が炎症を起こしてしまうとどういった症状が出るのでしょうか?

また、親知らずならではの特徴があるのでしょうか?ここでは、智歯周囲炎の治療方法についてご紹介します。

※この記事はメディカルドックにて『「智歯周囲炎」の原因・発症しやすい年齢層はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

智歯周囲炎の治療法や予防方法

歯磨きの指導

智歯周囲炎に治療法はありますか?

智歯周囲炎の治療では、抜歯の前に炎症を抑えることを優先します。炎症の起きている周囲を洗浄したり、抗菌薬を投与したりといった処置が主流です。痛みがひどい場合には鎮静剤を投与する場合もあります。また、腫れ(腫瘍)に膿が溜まっており、小さくなる見込みがない場合は歯肉を切開して膿を排出する処置も必要です。炎症の影響がリンパ節などに及んでいる場合は、入院などが必要になる場合もあります。これらの処置をすると、炎症の症状は引きますが、症状自体はまたくり返すことが多いです。歯肉が炎症を起こす原因はあくまで智歯なので、智歯に対処しなければ炎症が起こるリスクは残るからです。また、智歯の周囲にある歯まで虫歯や歯周病のリスクが高くなる可能性があります。そのため、炎症が治まった後に改めて智歯の抜歯を行います。ただし、全ての患者さんが抜歯を行わなければいけないわけではありません。まだ智歯が歯肉に少し埋まっている状態ではあるが、そのまま正常に生えてくる見込みがある場合です。患者さんによって個人差がある病気でもあります。しかし、抜歯を行わないのであれば、歯磨きに気をつけるなど日常生活の改善が必要になる場合があります。

智歯周囲炎の治療中に気をつけることはありますか?

治療中はなるべく激しい運動は控え、炎症が起きている部位を舌で触るなどの行動を控えるようにしましょう。また、心配だからといって智歯の周囲を歯磨きしすぎず、あくまで担当医の指示に従って歯磨きを行うようにしてください。抜歯を行った際は、長時間の入浴や飲酒は控えるようにしましょう。また、傷口を舌で触れないようにしてください。鎮静剤を処方された場合は、痛くなってからではなく痛くなりそうな時に服用すると鎮静効果が出やすくなります。

智歯周囲炎を予防する方法があれば知りたいです。

10代のまだ智歯が生えていない時点でレントゲン写真を撮り、どんな風に生えてくるのかを歯科医に聞いておきましょう。これによって智歯周囲炎を起こしやすいかどうかがわかり、予防にもなります。特に斜めに倒れていたり、横に埋もれていたりする場合は、今後の生え方に注視する必要があります。しかし、智歯の生え方は人それぞれです。特に心配がないとされており、どんなに歯磨きをちゃんとしていても、生え始めた智歯までしっかりケアできる方は少ないです。そのため、智歯周囲炎は若い方のほとんどが通る歯の病気とされています。だからこそ智歯が生え始めたら気を配り、違和感を感じたらなるべく早く歯科医にかかるようにしてください。それによって智歯周囲炎を重症化させず、軽いうちに対処することが可能になります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

智歯に関する悩みは、若い方に多い悩みです。しかし、若いからこそ抜歯を行う際の傷が早く治りやすく、処置がしやすい年代でもあります。智歯の周りの違和感に気づいたら、なるべく早く歯科医にかかるようにしましょう。そうすることで痛みが強くなる前に対処することが可能です。また、抜歯に対するリスクも軽減できます。

編集部まとめ

歯医者の治療

智歯周囲炎は、20歳から30歳前後の若い方に多い歯の悩みです。智歯(おやしらず)周囲の歯肉が炎症を起こすことで引き起こされます。

重症化すると頬が腫れてしまうなど見た目にも影響が出る病気です。そのため、智歯の周りの違和感に気づいたら、なるべく早く診察を受けるようにしましょう。

患者さんによっては抜歯が必要ない場合もあります。抜歯するかしないかも含め、歯科医にしっかりと診察してもらいましょう。

この記事の監修医師

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