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「レム睡眠行動障害の診断」で使用する”睡眠ポリグラフ”とは?治療法も医師が解説!

 公開日:2025/12/12
「レム睡眠行動障害の診断」で使用する”睡眠ポリグラフ”とは?治療法も医師が解説!

近年、心身の健康を維持する要素の一つとして睡眠の重要性が注目されており、みなさんの中にもご自身の睡眠の状態が気になる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

睡眠は年齢とともに変化しているといわれており、睡眠障害で悩む方も増えていきます。また、ご本人は気がついていなくても、睡眠障害に伴う異常行動が出現する睡眠時随伴症のために周囲の人が不眠などの睡眠障害を抱えてしまうこともあります。

そこで、今回はご自身では気が付いていないかもしれない睡眠に関する病気の中でも、レム睡眠行動障害という病気について詳しく解説をしていきます。

※この記事はメディカルドックにて『「レム睡眠行動障害」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

レム睡眠行動障害の診断・治療方法

診断書と聴診器

レム睡眠行動障害はどのように診断するのでしょうか?

まず、睡眠中のエピソードに関する問診が必須であるため、同居のご家族がいる場合は問診を行います。また、他の睡眠障害との鑑別を行うために各種スクリーニング問診票を用いた評価も行うことが必要です。代表的なものには、RBD screening questionnaire日本語版(RBDSQ-J)やRBD日本語訳された questionnaire-Hong Kong (RBDQ-JP)などの問診票があり、家庭で行うことができる簡便な質問票も開発されています 。
また、睡眠中の状態を客観的に確認するために、睡眠ポリグラフ(PSG)という機器を用いて検査を行います。睡眠中の様子を動画で撮影しながら、睡眠ポリグラフ(PSG)でREM睡眠中の脳波・心電図・筋電図・呼吸・いびき等を測り、異常な行動が生じるかを調べて他の疾患等との鑑別をします。検査は各種機器を取り付けた状態で一晩寝ていただくため入院が必要となりますが、痛み等は全くない検査です。

レム睡眠行動障害の治療方法を教えてください。

レム睡眠行動障害と診断された場合は、これ以上の悪化を防ぐためにも、まずは睡眠環境や生活習慣の見直しなどを行います。軽症の場合は非薬物療法でも症状が軽減しますが、効果がない場合は抗てんかん薬などの薬物療法で症状を押さえる治療を行います。
また、頭部の炎症性疾患や神経変性疾患など、レム睡眠行動障害を引き起こす原因疾患がある場合は、そちらの治療も並行して進めることが必要です 。

レム睡眠行動障害は治療で完治しますか?

原因が不明であることも多く、原因も多岐に渡るため、レム睡眠行動障害の疾患自体は完治しない場合もありますが、ほとんどは薬物療法で症状が改善されることがわかっています。

レム睡眠行動障害の治療中の過ごし方や生活で気をつけることがあれば教えてください。

まずはご自身の生活習慣を見直してみてください。睡眠不足の状態が長く続いていないかを確認し、寝付く前にアルコールやカフェインを多く飲用する習慣がある場合は、それらを抑えることも効果的です。
また、症状が改善するまでは、ご本人やご家族の心身を守るためにも、ベッドサイドに危険なものを置かないことや、ご家族とは寝室やベッドを別にするなどの工夫も必要に応じて行うようにしてください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

睡眠は様々な健康障害のリスク因子としても知られており、生活の質を保つためにも、とても重要で欠かすことのできないものです。
レム睡眠行動障害は症状を軽減することができる疾患です。もし、ご本人やご家族の中で心当たりがあり、困っている場合は、おひとりで悩まずに、まずは専門家にご相談をしてみてください。きっと解決の糸口がみつかるはずです。

編集部まとめ

ベッドで仲良く寝ている若い夫婦
レム睡眠行動障害は、50歳以降の男性に多く、年齢とともに発症のリスクが高まります。誰しも発症する可能性がありますが、症状を軽減できる病気でもあります。

病気の特性上、ご本人は気が付いていないことも多く、一緒に暮らしているご家族やパートナーが悩み、ストレスを抱えてしまうこともあるのです。

ご自身とともに一緒に暮らすパートナー・家族の身の安全を守り、良質な睡眠を得て快適な暮らしを保つためにも、気になる方は専門家にご相談をしてみてください。

この記事の監修医師

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