「蓄膿症」の初期症状・原因はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/04/02

蓄膿症は、鼻の穴から繋がる副鼻腔に炎症ができる病気です。鼻の病気としてよく聞く病気ですが、実際にどんな病気なのかご存知の方は少ないかもしれません。
実は、蓄膿症には慢性副鼻腔炎という正式な病名があります。これは耳鼻咽喉科で治療する必要がある病気です。
では蓄膿症とはどんな病気なのでしょうか?ここでは発症の原因や症状レベルなどについて解説します。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
※この記事はMedical DOCにて『「蓄膿症」の初期症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
目次 -INDEX-
蓄膿症の特徴
蓄膿症とはどんな病気ですか?
蓄膿症は正式には「慢性副鼻腔炎」と呼ばれています。副鼻腔とは、鼻の穴の奥にある少し広い空洞のことです。この空洞に膿や体液が貯まったり、ポリープができたりしてしまうことを副鼻腔炎もしくは蓄膿症と呼びます。
ほとんどは風邪など、鼻水が出る感染症がきっかけで発症する場合が多いです。この場合は急性副鼻腔炎と呼ばれています。
しかし、まれに風邪などの症状がなくなったにもかかわらず、急性副鼻腔炎の症状が3ヶ月以上にもわたって長引く場合があるのです。この場合は慢性副鼻腔炎、つまり蓄膿症と呼ばれます。
ほとんどは風邪など、鼻水が出る感染症がきっかけで発症する場合が多いです。この場合は急性副鼻腔炎と呼ばれています。
しかし、まれに風邪などの症状がなくなったにもかかわらず、急性副鼻腔炎の症状が3ヶ月以上にもわたって長引く場合があるのです。この場合は慢性副鼻腔炎、つまり蓄膿症と呼ばれます。
蓄膿症の初期症状はどんなものですか?
基本的には鼻水に関する症状が多いです。一般的なのが喉に鼻水が流れ込んでしまう「後鼻漏」という症状です。鼻水と共に強い匂いの膿が喉に落ちてくることもあります。また、ポリープができたことにより鼻が詰まったり、鼻がむくんだりといった見た目の症状がみられることもあります。
特に注意したいのが、痛みの症状が出ている場合です。鼻・頬・目の奥をはじめとした副鼻腔の周りの部位が痛くなったり、頭全体が重くなったりという症状も出ることがあります。こういった症状が出ている場合は、副鼻腔に起きている炎症がひどくなっている可能性が高いです。
特に注意したいのが、痛みの症状が出ている場合です。鼻・頬・目の奥をはじめとした副鼻腔の周りの部位が痛くなったり、頭全体が重くなったりという症状も出ることがあります。こういった症状が出ている場合は、副鼻腔に起きている炎症がひどくなっている可能性が高いです。
蓄膿症が発症する原因を教えてください。
主な原因は、風邪などのウイルスやアレルギーの炎症によるものが多いです。
細菌感染物質が鼻に入り炎症を起こすと、粘膜が腫れてしまいます。すると顔の中にある空洞の副鼻腔に通じる出入り口が腫れた粘膜で狭まってしまい、雑菌が溜まっても出入りしにくくなってしまうのです。出入り口が閉鎖されている状態は雑菌の繁殖を促進させてしまいます。
結果として副鼻腔に雑菌が溜まったり炎症が起きたりして、急性副鼻腔炎の症状が出てしまいます。この炎症が持続して慢性化してしまったものが、慢性副鼻腔炎すなわち蓄膿症となるのです。
また、急性副鼻腔炎を繰り返すことで鼻の粘膜の機能が弱まり蓄膿症に移行する場合もあるため、何度も急性副鼻腔炎を繰り返してしまう場合は注意が必要です。
細菌感染物質が鼻に入り炎症を起こすと、粘膜が腫れてしまいます。すると顔の中にある空洞の副鼻腔に通じる出入り口が腫れた粘膜で狭まってしまい、雑菌が溜まっても出入りしにくくなってしまうのです。出入り口が閉鎖されている状態は雑菌の繁殖を促進させてしまいます。
結果として副鼻腔に雑菌が溜まったり炎症が起きたりして、急性副鼻腔炎の症状が出てしまいます。この炎症が持続して慢性化してしまったものが、慢性副鼻腔炎すなわち蓄膿症となるのです。
また、急性副鼻腔炎を繰り返すことで鼻の粘膜の機能が弱まり蓄膿症に移行する場合もあるため、何度も急性副鼻腔炎を繰り返してしまう場合は注意が必要です。
5つの症状レベルがあると聞きました。
副鼻腔炎に関わる症状レベルは以下の5段階です。
- レベル1:鼻水や鼻詰まり
- レベル2:副鼻腔に菌が繁殖し始める(自覚症状特になし)
- レベル3:副鼻腔が炎症を起こす(痛みなどの症状が出始める)
- レベル4:副鼻腔に膿が出て鼻水が黄色くなる
- レベル5:レベル4までの症状が3ヶ月以上続く
蓄膿症はこのうちのレベル5に至っている状態です。ただし、痛みの症状はあまりありません。鼻水が出たり鼻が詰まったりという症状が慢性的に続きます。そのため、風邪やアレルギー性鼻炎と間違えやすいです。
子どもでも蓄膿症にかかりますか?
子どもでも蓄膿症になる可能性はあります。ただし、副鼻腔は2歳頃から発達し始める部位です。そのため、0歳~4歳頃までの子どもは副鼻腔炎を起こさないとされています。
4歳を過ぎると副鼻腔が鼻と繋がるため、副鼻腔炎を起こす可能性があります。ほとんどの場合は風邪が原因で急性副鼻腔炎になりますが、適切な治療を受ければ1週間程度で治ってしまうことが多いです。
ただし、それが慢性化して蓄膿症になってしまうと、鼻詰まりや頭痛が原因で頭がぼーっとしてなかなか集中できないなどの状態になってしまいます。そのため、子どもの鼻水がねばつくなど普通とは違うと思ったら早めに耳鼻咽喉科にかかることをおすすめします。
4歳を過ぎると副鼻腔が鼻と繋がるため、副鼻腔炎を起こす可能性があります。ほとんどの場合は風邪が原因で急性副鼻腔炎になりますが、適切な治療を受ければ1週間程度で治ってしまうことが多いです。
ただし、それが慢性化して蓄膿症になってしまうと、鼻詰まりや頭痛が原因で頭がぼーっとしてなかなか集中できないなどの状態になってしまいます。そのため、子どもの鼻水がねばつくなど普通とは違うと思ったら早めに耳鼻咽喉科にかかることをおすすめします。
編集部まとめ
蓄膿症は副鼻腔炎が慢性化することで移行する鼻の病気です。鼻詰まりが慢性化すると頭がぼーっとしたり、日常生活にも支障が出たりするようになります。
主な症状は鼻水や鼻詰まりといった鼻風邪のような症状です。しかし、熱が出ないからといって放置すると、重症化のリスクがある病気です。
黄色い鼻水が出たり、喉に鼻水が落ちたりといった症状がある場合は、迷わず耳鼻咽喉科へかかるようにしましょう。
また、子どもの場合でも集中力が落ちたり、夜眠りにくくなったりといった影響があります。できる限り早めに治療を開始できるようにしましょう。