「もやもや病」が脳梗塞の原因に?治療法や治療中の注意点も医師が解説!

もやもや病は、脳に血液を送るための血管が徐々に詰まることでさまざまな症状が出てくる病気です。
この病気は脳梗塞や脳出血の原因となり、場合によっては命に関わることがあるため、早期発見・早期治療が重要な鍵となるでしょう。
難病に指定されており、小児でも成人でも発症する病気です。小児と成人で発症するタイプが異なることがあり、それによりさまざまな症状を示します。
今回の記事では、もやもや病の治療方法・予防方法などについてご紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「もやもや病」を発症すると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
もやもや病の治療方法と予後について

もやもや病はどんな治療を行いますか?
- 薬による治療
- 外科的治療
脳の血流が低下することによる症状が起こっている場合は、薬による治療が選択されます。血液をサラサラにし、血栓が形成されるのを予防する抗血小板薬です。薬を飲むことにより脳の血流が改善されるため、一過性虚血発作が起こる頻度が減少します。
しかし、薬による治療には限界があり、その場合は外科的治療が選択されます。脳血流を増やす血行路をつくるための「バイパス術」です。頭皮にある血管を脳血管に直接つなぐことで、脳血流を増やすことができます。
小児の場合は頭皮の血管を脳の表面に置き、自然に血管が延びていくのを待つ間接法を行うこともあります。治療法は、医師と相談の上最適なものを選択しましょう。
もやもや病の治療中と治療後の過ごし方を教えてください。
バイパス術を行った後は生活に大きな制限はありませんが、格闘技やラグビーなど頭に直接刺激を受けるようなものはおすすめできません。脱水にも注意が必要なので、適度に水分を摂るように気を付けましょう。
喫煙は、ニコチンが脳血管を収縮させるため悪影響を及ぼします。大量の飲酒も控えた方がいいでしょう。出血型の場合は、再発に注意が必要です。
定期的に検査を受けながら、頭痛や吐き気などの気になる症状が起こったらすぐに医療機関を受診しましょう。いずれにしても、異変を放置しないことが大切です。
もやもや病を予防する方法があれば知りたいです。
しかし、薬や手術により、脳梗塞や脳出血の発症を予防することは可能です。進行し脳梗塞や脳出血が起こってしまうとその後の生活にも影響が出る可能性があります。
早期発見できることが重要です。そのため、少しでも脳の異変と思われる症状がある場合には、医療機関を受診することをおすすめします。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
よくある頭痛やめまいなどでも、くり返し起こる場合は病気のサインの可能性もあります。また、一過性虚血発作の症状は、その時良くなっても脳梗塞などの前兆の可能性もあるため注意が必要です。気になる症状がある場合には放置せず、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
編集部まとめ

今回は、もやもや病について解説しました。この病気は、脳に血液を送る内頚動脈が徐々に狭窄・閉塞してしまう病気です。
成人だけではなく小児でも発症する可能性があり、進行すると脳梗塞や脳出血などを起こしその後の生活にも影響が出てしまうため危険です。
早期発見し治療を開始することができれば、日常生活も問題なく送ることができる可能性が高くなります。
気になる症状がある場合は、速やかに医療機関で診断を受けましょう。
参考文献