受診の目安となる「モートン病」の症状・検査法はご存知ですか?【医師監修】
日常生活の中で、足の指の付け根に痛みが生じることはないでしょうか。その症状は「モートン病」による可能性があります。
モートン病は、過度な運動や圧迫感のある靴の常用によって発症し、近年では発症者が増えてきています。発症初期にはテーピングなどで対処が可能ですが、症状が進行すると手術が必要なケースも。
本記事ではモートン病になりやすい人、兆候としてみられる症状やリスクや治療方法について詳しく解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「モートン病」の兆候となる症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
モートン病の検査・診断と受診目安
どのような症状が出た場合受診したら良いのでしょうか?
モートン病はどのような検査をして診断されるのでしょう?
この検査方法は「Mulderテスト」または「Squeezeテスト」と呼ばれます。この検査により痛みやしびれが生じた場合、モートン病が強く疑われます。
確定診断にはX線(レントゲン)検査や超音波装置、筋電図検査、画像検査が用いられ、発症部位が造影されることで診断することができます。
モートン病に似た病気などありましたら知りたいのですが…
- 中足骨疲労骨折
- 中足骨頭間滑液包炎
- Freiberg病
- 足根管症候群
- 糖尿病性神経障害
- グロムス腫瘍
中足骨にヒビが入ることで、痛みと腫れが生じます。強い痛みや内出血、大きな腫れを伴うことは少ないですが、運動しているときや圧迫したときに痛みを感じることが多いです。
骨と腱または筋の摩擦を少なくする滑液包という液体の入った袋が炎症する病気です。過剰な運動などによって滑液包に過度な刺激が生じることで発症します。
足の人差し指の付け根の骨(第2中足骨頭)が壊死する病気です。ダンスやランニングなどで繰り返し負荷がかかることが原因で生じます。
かかとの近くの繊維性の管(足根管)を通り足の指先に向かう神経が、物理的に圧迫または損傷することでしびれや痛みを伴う症状です。
外傷後(足首の捻挫、果部骨折、踵骨骨折など)や足首の変形、ガングリオンなどによる神経の圧迫によって発症することがありますが、全く原因が特定できない症例もみられます。
糖尿病の合併症の一つで、最も頻度が高い合併症です。末梢神経に障害が出て足の指先から足の裏を中心にしびれや痛みが生じます。
グロムス器官と呼ばれる血管にできる良性腫瘍です。発症原因は明らかになっておらず、強い痛みを伴うことが特徴です。治療法は手術により摘出する以外にはありません。
編集部まとめ
本記事では、モートン病になりやすい人、兆候としてみられる症状やリスクや治療方法について詳しく解説しました。
モートン病は、過度な運動や圧迫感のある靴の常用によって発症し、最悪の場合には歩けなくなるほどの強い痛みを伴う可能性もあります。
日常的に運動運動をする方や、ハイヒールなど足に負担のかかりやすい靴を着用する方は、時々足を休ませてあげることが、モートン病の予防に効果的です。
また、症状が進行すると手術が必要となるケースもあるため、モートン病の疑いがあると感じた方は、症状を我慢せず専門医を受診するようにしてください。