「マイコプラズマ肺炎の予防法」はご存じですか?医師が解説!
公開日:2025/11/24

一口に肺炎といっても、大きく分けると細菌性肺炎・ウイルス性肺炎・非定型肺炎の3種類に分類され、それぞれ原因が異なります。
マイコプラズマ肺炎は、このうちの非定型肺炎に分類されます。比較的よく聞く病名ですが、悪化すると怖い病気のひとつです。
そのためなるべく早期に発見して、治療を開始することが大切だといえるでしょう。
今回はマイコプラズマ肺炎の予防法などについて詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「マイコプラズマ肺炎」を発症すると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
マイコプラズマ肺炎の予防

マイコプラズマ肺炎の予防法を教えて下さい。
マイコプラズマ肺炎は感染者との接触や咳の飛沫などが主な感染源になります。そのため、日頃から外出先から帰ったら手洗いやうがいをしっかり行うことが大切です。いわゆる風邪やインフルエンザの予防と同じですね。咳の飛沫によって感染するため、自分に咳の症状がある場合は他者への感染を防ぐためにマスクの着用を行うようにして下さい。マイコプラズマ肺炎は季節に関係なく1年中感染の恐れがありますが、特に起こりやすい冬は混み合う電車やバスをなるべく避けることも予防法のひとつになります。
マイコプラズマ肺炎かなと感じたらどうすればいいですか?
「マイコプラズマ肺炎かな?」と感じたときは、自己判断するのは良くありません。自己判断で放置してしまうと、合併症を引き起こしたり、入院が必要なほどに重症化してしまったりする可能性もあります。頭痛や倦怠感などのあとに乾いた咳が長引いているような場合には万が一の重症化を防ぐためにも、まずは病院で診察を受けるようにして下さい。検査をするかどうかについては、医師の判断に従うのがよいでしょう。特に体力がない幼児や高齢者などの場合は、周りの人が気を付けて様子をみてあげるようにして下さい。少しでも不安がある場合は医師に相談をして早期発見、早期治療することがなによりも大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
マイコプラズマ肺炎は特に珍しい病気ではありません。どの年代の人でも発症する恐れがあり、一般的に肺炎が流行しやすくなる冬以外の季節にも発症する可能性があります。正しく治療すればほとんど後遺症なども残らず軽症で完治しますので、症状をよく見極めて適切な診察を受けるようにして下さいね。マイコプラズマ肺炎にかからないための予防も大切なので、外から帰ったら手洗い・うがい・消毒をする、むやみに人混みに行かないなどの対策も行って下さい。
編集部まとめ

マイコプラズマ肺炎の特徴は、発熱・頭痛・倦怠感の後に痰を伴わない咳が長期間にわたって続くことです。
さらに場合によっては中耳炎や脳炎などの合併症が起こることもあります。
子供に多い病気ですが大人でもかかることがあり、かかってしまった場合には大人の方が子供よりも治りにくいともいわれているため注意が必要です。
乾いた咳が長く続くなどの普段とは違う風邪症状を感じた場合は、マイコプラズマ肺炎も考慮して病院を受診するようにしましょう。