「腹膜炎」の症状・原因はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/03/24

診断が遅いと命を落とす危険性がある腹膜炎ですが、ただの腹痛だと思っていたら注意が必要な病気です。一体どんな病気なのでしょうか?
虫垂炎にも似た症状で種類もあり、判断が難しいのでいざという時すばやく対応できるように、知識があるだけでも安心できます。
誰でも罹患する可能性がある腹膜炎の発症リスクをできるだけ回避していくためにも、具体的な原因と症状についてご紹介していきます。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
プロフィールをもっと見る
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
※この記事はMedical DOCにて『「腹膜炎」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
腹膜炎の症状と原因
腹膜とはなんですか?
腸などを包んでいる膜のことです。
主に肝臓・胃・大腸・小腸などの内臓表面を覆っており、骨盤内にある膀胱・子宮・卵管などの表面を覆う腹膜もあります。広げると畳一枚分にもなる表面積の大きさです。
主に肝臓・胃・大腸・小腸などの内臓表面を覆っており、骨盤内にある膀胱・子宮・卵管などの表面を覆う腹膜もあります。広げると畳一枚分にもなる表面積の大きさです。
腹膜炎の症状を教えて下さい
急性腹膜炎と慢性腹膜炎があります。
急性腹膜炎は、前兆として腹部の不快感や軽い腹痛が生じます。その後急激な腹痛がおき、部分的な痛みはやがて腹部全体におよび、吐き気や嘔吐・発熱・寒気などの諸症状があらわれることで歩行も困難になるほどの痛みを伴うのです。
一方で、慢性腹膜炎は2~3か月の間、腹痛や微熱・全身の倦怠感・食欲不振などの症状が悪化と緩和を繰り返します。
腹膜炎には部分的な炎症の限局性腹膜炎と、腹膜全体に広がる炎症の汎発性腹膜炎があります。
限局性腹膜炎より汎発性腹膜炎の方が炎症範囲が広いため、痛みも強い傾向です。汎発性腹膜炎は腹痛・吐き気・嘔吐以外にも、速い脈拍や速く浅い呼吸の症状がみられ、腹部を押さえると痛みが走り腹部の筋肉が緊張し硬くなることで血圧低下・頻脈・尿の量が減少するといった敗血症の症状もみられます。
腹膜に癌が転移する癌性腹膜炎の症状としては腹痛・発熱・嘔吐・体重の減少・消化液の逆流・不整脈・呼吸困難・腹部の膨満感です。また、腸閉塞や尿管閉塞・栄養失調になる方もいます。
特に女性が気を付けたいのが骨盤腹膜炎です。症状として下腹部痛・不正出血・性交痛・高熱・おりものの増量などがあげられます。虫垂炎と痛み方が似ているので間違えやすく注意が必要です。
急性腹膜炎は、前兆として腹部の不快感や軽い腹痛が生じます。その後急激な腹痛がおき、部分的な痛みはやがて腹部全体におよび、吐き気や嘔吐・発熱・寒気などの諸症状があらわれることで歩行も困難になるほどの痛みを伴うのです。
一方で、慢性腹膜炎は2~3か月の間、腹痛や微熱・全身の倦怠感・食欲不振などの症状が悪化と緩和を繰り返します。
腹膜炎には部分的な炎症の限局性腹膜炎と、腹膜全体に広がる炎症の汎発性腹膜炎があります。
限局性腹膜炎より汎発性腹膜炎の方が炎症範囲が広いため、痛みも強い傾向です。汎発性腹膜炎は腹痛・吐き気・嘔吐以外にも、速い脈拍や速く浅い呼吸の症状がみられ、腹部を押さえると痛みが走り腹部の筋肉が緊張し硬くなることで血圧低下・頻脈・尿の量が減少するといった敗血症の症状もみられます。
腹膜に癌が転移する癌性腹膜炎の症状としては腹痛・発熱・嘔吐・体重の減少・消化液の逆流・不整脈・呼吸困難・腹部の膨満感です。また、腸閉塞や尿管閉塞・栄養失調になる方もいます。
特に女性が気を付けたいのが骨盤腹膜炎です。症状として下腹部痛・不正出血・性交痛・高熱・おりものの増量などがあげられます。虫垂炎と痛み方が似ているので間違えやすく注意が必要です。
腹膜炎になる原因はなんですか?
細菌要因と化学要因があり、細菌要因は急性虫垂炎・急性すい炎・急性胆のう炎など細菌感染です。肝臓・すい臓・胆のうなど腹腔内にある臓器の炎症が腹膜へ影響することが原因になります。
化学要因は外傷や腸間膜の虚血による消化管穿孔です。消化管穿孔とは消化管(胃・十二指腸・小腸・大腸)に穴があくことで、その穴から腹腔へ漏出した胃液・胆汁・大腸内の便が腹腔を刺激しその結果、炎症がおき胆のうや膀胱などに穴があいておきることもあります。
特発性細菌性腹膜炎は消化管の壁に明らかに穴がないのにおきる病気で、肝硬変が原因でおこる腹水により発症することもあり、腹部にたまった体液のある部位で多くみられるもので腹腔内に細菌が侵入することで発症するのです。
癌性腹膜炎の原因は、胃癌や生殖器系の癌・婦人科系の癌の細胞がお腹のなかに剥がれ落ちて転移します。
骨盤腹膜炎の場合、病原菌としてクラミジア・淋菌などが原因にあげられます。子宮頸管炎・子宮内膜炎から広がり発症することが多いです。
化学要因は外傷や腸間膜の虚血による消化管穿孔です。消化管穿孔とは消化管(胃・十二指腸・小腸・大腸)に穴があくことで、その穴から腹腔へ漏出した胃液・胆汁・大腸内の便が腹腔を刺激しその結果、炎症がおき胆のうや膀胱などに穴があいておきることもあります。
特発性細菌性腹膜炎は消化管の壁に明らかに穴がないのにおきる病気で、肝硬変が原因でおこる腹水により発症することもあり、腹部にたまった体液のある部位で多くみられるもので腹腔内に細菌が侵入することで発症するのです。
癌性腹膜炎の原因は、胃癌や生殖器系の癌・婦人科系の癌の細胞がお腹のなかに剥がれ落ちて転移します。
骨盤腹膜炎の場合、病原菌としてクラミジア・淋菌などが原因にあげられます。子宮頸管炎・子宮内膜炎から広がり発症することが多いです。
腹膜炎は重症化しますか?
腹膜炎は悪化すると重症化します。
全身に細菌が広がっておきる敗血症、またそれが進行すると多臓器不全になり命を落とす危険性があります。
全身に細菌が広がっておきる敗血症、またそれが進行すると多臓器不全になり命を落とす危険性があります。
編集部まとめ
汎発性腹膜炎の原因のほとんどは消化管穿孔であることがよくわかりました。腹膜炎に限らずですがいつもと体調が違うと感じたら、先延ばしにしないことも悪化の予防策の一つになるのです。
痛みがひどいと自分の詳細な情報を伝えられないこともあると思いますので、ご家族など付き添いの方にも協力してもらいましょう。
参考文献