「生理痛」がひどくなるのは何の病気のサイン?症状や放置するリスクを医師が解説!

月に1回ほどやってくる生理に憂鬱になる女性は多くいます。生理の悩みの1つの生理痛は個人差が大きく、症状の軽さ・重さも十人十色です。
人によっては、生理痛がかなり重く日常生活に支障がでてしまうケースもあります。辛い生理痛はなぜ起こるのでしょうか。
今回は、生理痛についてまとめました。
※この記事はメディカルドックにて『「生理痛」がひどくなる3つの病気はご存知ですか?病気のサインとなる症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
ひどい生理痛を起こしやすい病気・治療法

生理痛がひどくなる病気は何ですか?
機能性月経困難症の原因で、挙げられる病気は下記の通りになります。
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
子宮内膜症は生理で排出されるはずの経血が逆流を起こし、それがお腹の中に残り子宮内膜と同じ機能を持った組織が作られるのです。子宮とは違う場所に内膜ができ上がってしまうため、出口のない場所で出血を繰り返します。本来であれば出血を起こさない場所のため、炎症反応を起こすことで起こる病気です。
子宮腺筋症は子宮の壁に子宮内膜に似た組織ができる疾患になります。
子宮筋腫は子宮の壁にできる良性腫瘍で命にかかわる疾患ではないものの、場所や大きさによっては生理の経血量が増えたり生理痛が重くなったりする原因となるのです。
病気を疑うべきサインを教えてください。
- 経血量が通常より多い(ナプキンが2時間もたない)
- 生理の日数が長い(8日以上続く)
- 生理不順がある
- レバーのような塊がでる
- 急に生理痛が強くなった
上記のような症状がある方は、子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫などの病気が疑われます。痛み止めを飲んでも痛みが治らない場合や急に生理痛がひどくなった場合などは、早めに受診をしてください。
病気を放置するリスクはあるのでしょうか。
生理痛が重いことでメンタル面の不調にも繋がります。生理痛が重くて辛い場合は、我慢しないで婦人科の医師に相談をしましょう。
病気の場合の治療内容が知りたいです。
子宮内膜症の治療は薬の服用や手術です。症状・年齢・妊娠の希望などを考慮して最適な治療を選択します。痛みには鎮痛剤を使い、ホルモン量の少ないピルなどを使用して、症状の緩和で様子をみることが多いです。病巣がはっきりしており、症状が重い場合には手術を検討します。子宮内膜症は再発の可能性が高いため、長期的な経過観察が必要です。
編集部まとめ

生理中は憂鬱なものですが、それに加えて重い生理痛があるのはもっと辛いものです。病気が原因でなければ、生活習慣や冷えを防止することで改善が期待できます。
バランスの良い食事を心がけ、身体を冷やさないように対策をしましょう。
しかし、対策をとっても改善されない・生理のたびにひどくなる・鎮痛剤が効かないなどの場合は病気が原因になっているケースがあるため注意が必要です。
病気を放っておくと、将来的に癌化や妊娠がしにくくなるなどのリスクが高くなります。早めに治療をして、リスクを減らしていきましょう。
病気がなくても、重い生理痛は身体的にも精神的にも負担になり兼ねません。生理痛が辛い方は我慢をしないで、婦人科で相談をしてみてください。