「月経前不快気分障害(PMDD)は放置しても問題」ない?予防法を医師が解説!
公開日:2025/12/03

女性には毎月やってくる月経ですが、月経前・月経中などいろいろ体や心の不調を感じる方も多いと思います。 また急に涙が出てしまったり、急な強い不安感に襲われ家から出られず、仕事を休まないといけなくなるほど社会生活に支障をきたし、苦しんでいる女性の方もいらっしゃるのではないでしょうか? 同じような症状で苦しんでいる方は少なくありません。そんな女性の方にPMDDについて詳しく紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「月経前不快気分障害(PMDD)」の症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
目次 -INDEX-
月経前不快気分障害(PMDD)の予防法・注意すべきポイント
予防するにはどうしたらいいですか?
予防するには、完全に防げるというわけではありませんが以下のことで防ぐことは可能です。
- 規則正しい生活を心がける:生活習慣が乱れるとホルモンバランスも崩れやすくなります。学校や仕事などで生活リズムを整えるのは難しい場合もあると思いますので、ご自身の無理のない範囲で、なるべく生活リズムを整えるようにしましょう。特に睡眠と食事のタイミングは一定になるように心がけましょう。
- 適度な運動を心がける:適度な運動は重要です。自律神経の乱れはいろいろな不調を招きます。運動することで交感神経が優位になり、運動後はゆっくりと副交感神経が優位になり、自律神経を整えることが可能です。特にPMDDには、長くゆっくりとした有酸素運動が効果的だといわれています。有酸素運動にはエアロビ、ウォーキング、エアロバイク、ゆっくり行う水泳などがあります。
- バランスのとれた食生活:栄養バランスが乱れはホルモンバランスの乱れに繋がり、イライラしたりストレスが増えたりと精神状態の悪化も考えられます。また生理前は異常に血糖値が上下してしまうので、血糖値の上昇が緩やかになる食事を心がけるようにしましょう。そしてPMDDの改善に「大豆イソフラボン」と「カルシウム」の摂取が効果的という説があります。苦手ではない方は豆乳などを取り入れてみてはいかがでしょうか?効果があるといってもそればかり摂るのは、食事バランスの乱れに繋がりますので、あくまでもバランスには注意してください。
月経前不快気分障害(PMDD)は放置しても問題ありませんか?
PMDDを放置してはいけません。なかなか病院を受診することが難しい症状・生理前は不調があるのが普通だと思っている女性の方は多いと思います。ですが、放置して悪化してしまうとうつ病やパニック障害に発展してしまうこともあります。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
PMDDは毎月訪れる生理とともに生活に支障をきたすほどの精神症状が出てしまい、辛い思いをしているしている女性の方は多いと思います。また、PMDDの症状により、仕事や学校を休んだり、突然泣き出してしまったり、感情のコントロールができないことを周りに理解されず、苦しんでいる方もいるのではないかと思います。
それは病気なんだと理解していただくことで気持ちも少し楽になるのではないでしょうか?そして、治療することで根本的な解決ができ、生きづらさからぜひ解放されてほしいと思います。
それは病気なんだと理解していただくことで気持ちも少し楽になるのではないでしょうか?そして、治療することで根本的な解決ができ、生きづらさからぜひ解放されてほしいと思います。
編集部まとめ
生理前不快気分障害(PMDD)は女性にとって、毎月社会生活に支障をきたすほどの精神症状によって生きづらいと感じる要因の1つになります。
生理前になれば多少の不調が出てしまうのは女性としてよくあることですが、社会生活までに支障をきたすようになるほどであれば治療が必要な病気です。
放置していてもいいことは何1つありません。今回当てはまるような症状があったなら、早めの受診をおすすめします。
参考文献