「アルツハイマー型認知症の寿命」はどれくらいかご存じですか?予防法も医師が解説!
公開日:2026/01/01

アルツハイマー型認知症とは、認知症の中のひとつであり、脳の一部が萎縮していく過程で起きる病気です。
進行速度は遅いですが、もの忘れを起こすなど日常生活に支障を来たすこともある場合もあります。
身近な病気ですが、具体的な症状などご存じでない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、アルツハイマー型認知症の寿命や予防方法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『もし家族が「アルツハイマー型認知症」を発症したら、あなたならどのように接しますか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
目次 -INDEX-
アルツハイマー型認知症の寿命や予防方法

アルツハイマー型認知症の寿命について教えてください。
- この病気は、認知機能の低下だけでなく、症状が進行することで命に関わることもあります。
- この病気にかかった場合、寿命は5年~12年といわれています。これは、寝たきりなどになることで肺炎といった合併症を引き起こし、死に至る可能性があるためです。
- 進行のスピードは、人によって異なります。そのため、寿命についても個人差があり、介護生活のおくり方によっては寿命が長くなる方もいます。
周りの家族はどのように接すれば良いですか?
- 周りの家族は、介護などに直面すると非常に大変に思うことがありますが、適切にサポートしてあげられるよう接してあげることが非常に大切です。
- 接し方としては、次のような方法を参考に接してあげましょう。
- 環境を整える
- 何度も話を聞いてあげる
- 否定せずに話を合わせる
- 無理強いはしない
- 生活しやすい環境に整えることは非常に重要です。アナログ時計からデジタル時計に変えるなど、個人に合わせて環境を整えてあげると、生活しやすくなります。
- また、楽しくリハビリできるような環境にしてあげることも大切です。リハビリは脳の活性化につながります。しかし、楽しくなければ本人も長続きはしません。手の動きを求める作業や昔の遊びなどを子供と一緒にするなど、家族でできるやり方で環境を整えることが大切です。
- 何度も話を聞いてあげることも重要です。この病気にかかると、何度も同じことを聞いたり話したりすることが多くなります。しかし、同じ話ばかりしていると嫌悪感を表すのではなく、できるだけ付き合ってあげましょう。自覚症状は無くとも、不快な思いをすると、症状の悪化も考えられます。
- また、話を否定せずに合わせることも大切です。これは、被害妄想が起きていたとしても、話を合わせましょう。否定は、余計な興奮を招き、腹を立てる原因にもなります。
- 無理強いをしないようにしましょう。介護拒否などを示すことは多々あります。無理強いするのではなく、配慮する気持ちをもって安心してもらえるように誘導することが大切です。
予防方法・進行速度を下げる方法はありますか?
- 生活習慣を見直すことが予防につながると考えられています。糖尿病・飲酒・運動不足・高血圧などの病気は、発症リスクを高めるといわれているのです。
- 少しでも発症を予防するためにも、生活習慣病にかからないように健康的な生活をおくるようにしましょう。
- また、睡眠不足を避けることも具体的な予防方法です。十分に睡眠がとれていない場合、とれている方よりも5倍程発症リスクが高いといわれています。進行速度を下げることにも繋がるため、しっかりと睡眠は取りましょう。
最後に、読者へのメッセージがあればお願いします。
- この病気は、高齢になれば誰しもかかる可能性がある病気です。遺伝の可能性もありますが、後天的に生活習慣病などの兼ね合いで発症する可能性もあるためです。
- 現在は、まだはっきりした原因や根本的な治療方法を解明はできていませんが、進行を遅らせる薬はあります。
- 家族の方で発症した方がいる場合、正しく知識を身につけ、薬の治療と家族でサポートを行い長く健康で楽しく暮らしてもらいましょう。
編集部まとめ

アルツハイマー型認知症は、日常生活への影響が大きい重い病気です。万が一、初期症状が確認できた場合は、早く医療機関を受診しましょう。
また、病気が進行してしまった場合は、家族でサポートや介護などを楽しく行って、進行を遅らせるようにしましょう。
そのためにも、予防方法や治療方法などの正しい知識を身につけておくことは大切です。大切な家族がかかった場合に備え、楽しく生活してもらえるように支えましょう。