「子宮内膜症の治療法」はご存じですか?予防法も医師が解説!
公開日:2025/11/26

子宮内膜症は妊娠・出産適齢期の女性に多くみられる病気で、特に近年は発症者が増加しています。
子宮内膜症は不妊症や卵巣がんに発展することもあるため、症状に気づいた時点でできる限り早めに病院を受診することが大切です。
子宮内膜症のサインとなる症状にはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では子宮内膜症の治療方法や日常生活の過ごし方についてご紹介しています。
この病気を深く知るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
※この記事はメディカルドックにて『「子宮内膜症」になると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
前田 裕斗(医師)
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東京大学医学部医学科卒業。その後、川崎市立川崎病院臨床研修医、神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科、国立成育医療研究センター産科フェローを経て、2021年より東京医科歯科大学医学部国際健康推進医学分野進学。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
目次 -INDEX-
子宮内膜症の治療方法や日常生活の過ごし方

子宮内膜症にはどんな治療方法があるのでしょうか?
子宮内膜症の治療法は大きく分けて「手術療法」「薬物療法」の2種類があります。両者は併用されることも少なくありません。
手術療法は主に子宮内膜症性のう胞に対して行われる方法で、子宮内膜症性のう胞のみを取り出す手術と、卵巣ごと切除する手術があります。
また、不妊症の方や、子宮内膜症の症状があまりに強い場合、症状改善を目的に子宮内膜症の部分をできるだけ取り除く方法があります。
手術治療を行なった場合でも、再発を予防するために薬物治療を併用することが必要です。
手術療法には2つの術式があります。
手術療法は主に子宮内膜症性のう胞に対して行われる方法で、子宮内膜症性のう胞のみを取り出す手術と、卵巣ごと切除する手術があります。
また、不妊症の方や、子宮内膜症の症状があまりに強い場合、症状改善を目的に子宮内膜症の部分をできるだけ取り除く方法があります。
手術治療を行なった場合でも、再発を予防するために薬物治療を併用することが必要です。
手術療法には2つの術式があります。
- 腹腔鏡手術:お腹に開けた小さな穴から電気メスを通し、病巣を切除する方法
- 開腹手術:お腹を開いてメスで病巣を切除する方法
- 薬物療法の代表的な薬剤は次の通りです。
- 鎮痛剤:子宮内膜症による痛みを軽減する
- 低用量ピル:女性ホルモンの量を調節して月経量を減らし内膜症の進行を抑制する
- ホルモン剤:月経量を少なくする、子宮内膜症の組織を縮小させる
薬物療法は、症状を一時的に緩和する「対症療法」です。根治は期待できませんが、手術療法に比べると身体的負担が少ないのがメリットです。
必ず手術しなければ治らないものですか?
子宮内膜症で基本となる治療は薬物療法であり、必ずしも手術の必要はありません。
子宮内膜症で手術が必要な場合は、子宮内膜症性嚢胞がある・サイズが大きく薬物治療だけではコントロールが難しい・悪性の可能性が考えられる場合・痛みなどの症状が非常に強く子宮内膜症による癒着などを解除する必要がある場合・不妊治療を進めるために必要と専門家が判断した場合などです。
病気が重症化するほど治療も大掛かりになりやすいため、子宮内膜症を疑う痛みや症状がある場合は、早めに婦人科で検査を受けてください。
子宮内膜症で手術が必要な場合は、子宮内膜症性嚢胞がある・サイズが大きく薬物治療だけではコントロールが難しい・悪性の可能性が考えられる場合・痛みなどの症状が非常に強く子宮内膜症による癒着などを解除する必要がある場合・不妊治療を進めるために必要と専門家が判断した場合などです。
病気が重症化するほど治療も大掛かりになりやすいため、子宮内膜症を疑う痛みや症状がある場合は、早めに婦人科で検査を受けてください。
治療中・治療後はどのような生活習慣を心がけたら良いのでしょうか?
治療後の生活に関する明確なルールやマニュアルはありません。基本的には、他の病気の治療後と同じように、栄養バランスのよい食事や適度な運動などを行ってください。
また、子宮内膜症は根治することがなく、再発の恐れのある病気です。そのため、手術後も薬物治療を続けることが勧められます。
子宮内膜症の再発時は痛みなどの自覚症状なしに進行することもあるため、薬物治療を続けながら定期的に婦人科でチェックを受けることが大切です。
また、子宮内膜症は根治することがなく、再発の恐れのある病気です。そのため、手術後も薬物治療を続けることが勧められます。
子宮内膜症の再発時は痛みなどの自覚症状なしに進行することもあるため、薬物治療を続けながら定期的に婦人科でチェックを受けることが大切です。
予防する方法があれば教えてください。
現在のところ予防法は確立されていません。
前述の通り、手術後は薬物治療を続けることで再発を予防することが可能です。
定期的に婦人科検診を受け、早期発見・早期治療がすすめられます。
前述の通り、手術後は薬物治療を続けることで再発を予防することが可能です。
定期的に婦人科検診を受け、早期発見・早期治療がすすめられます。
最後に、メッセージをお願いします。
子宮内膜症は強い月経痛を引き起こすだけでなく、不妊のリスクを高める病気でもあります。
発症者が全員不妊症になるわけではありませんが、妊娠を希望する方は、できる限り早めの治療が望まれます。
年々月経痛がひどくなる方や、血縁に子宮内膜症の発症者がいる方は、定期的に婦人科検診を受けるなどして早期発見に努めてください。
発症者が全員不妊症になるわけではありませんが、妊娠を希望する方は、できる限り早めの治療が望まれます。
年々月経痛がひどくなる方や、血縁に子宮内膜症の発症者がいる方は、定期的に婦人科検診を受けるなどして早期発見に努めてください。
編集部まとめ

子宮内膜症は妊娠・出産適齢期の女性に多い病気です。ときには不妊症やがんの原因となるため、症状に気づいたらできる限り早めに病院で治療を受けましょう。
特に近年は発症者が増加傾向にあるため、不安な症状がある場合はすぐに医師に相談することをおすすめします。