「アセトン血性嘔吐症の注意点」は何かご存じですか?医師が解説!
公開日:2025/11/23

主にお子様が嘔吐症状を周期的に繰り返す病気があります。古くは「自家中毒」とも呼ばれていましたが、近年では「アセトン血性嘔吐症」という病名がつきました。 ほとんどの患者さんがお子様ですが、まれに大人であっても発症することがあります。では、なぜ発症してしまうのでしょうか? ここでは、あまりよく知られていないアセトン血性嘔吐症の症状や原因について解説します。治療方法や予防方法についてもご紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「アセトン血性嘔吐症」を発症しやすい「年代」や「前兆となる症状」はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
アセトン血性嘔吐症の予防方法
普段の生活で気をつけなければいけないことを教えてください。
とにかく糖分不足状態に陥らないように気をつけましょう。3食を規則正しく食べていれば過度の糖分不足に陥ることはありません。しかし、朝食を抜いて午前中を過ごすと血糖値が下降します。
特にお子様の場合は学校での活動にも支障が出るため、朝起きた後に何も口にしないで昼食まで過ごすことを避けるようにしてください。どれかを削らないといけない場合は、特に夕食を抜かないようにしましょう。
夕食を抜いてしまうと就寝時には低血糖状態となります。朝に嘔吐症状が出ることが多いため、夕食は必ず食べるようにしてください。食事は高炭水化物、高タンパクを心がけると糖分不足に陥りづらくなります。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
アセトン血性嘔吐症は様々な原因で発症する病気です。しかし、糖不足に陥らないようにするなどの対策が可能な病気でもあります。日頃からバランスの良い食事と3食規則正しく食事をする習慣を作るようにして、なるべく糖不足に陥らないようにしましょう。
また、ストレスのかかりやすい出来事(大事な試験や試合)に対するケアも大切です。もしアセトン血性嘔吐症となってしまった場合は、こまめに少しずつ水分と糖分を補給させるなどの気を配ってあげてください。
編集部まとめ
アセトン血性嘔吐症は周期的に嘔吐症状を繰り返してしまう病気です。激しい嘔吐を繰り返すため、年齢にかかわらず症状が出るとぐったりとしてしまいます。
もし診断された場合は、日頃から糖不足にならないようこまめに水分と糖分を摂取することで軽症化が可能です。
そのため、症状が出た時のためにスポーツドリンクなどを用意しておくようにしましょう。吐き気止めを処方された場合は、前兆症状(頭痛や腹痛)が出た時に服用してください。