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男性に多い「コフィンローリー症候群の平均寿命」はご存じですか?医師が解説!

 公開日:2025/12/14
男性に多い「コフィンローリー症候群の平均寿命」はご存じですか?医師が解説!

コフィンローリー症候群とは、知的障害・骨格の変形・低身長といったさまざまな症状を引き起こす先天性の病気です。

遺伝性の病気ということも分かっており、基本的には男性に発症するといわれている難病です。

そこで、この記事ではコフィンローリー症候群の平均寿命・遺伝するのかなどについても解説するので参考にしてください。

※この記事はメディカルドックにて『「コフィンローリー症候群」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

コフィンローリー症候群との向き合い方

診察の様子

コフィンローリー症候群の寿命を教えてください。

  • コフィンローリー症候群は寿命を短縮する要因となる病気です。その寿命は、平均年齢20.5歳といわれています。さまざまな合併症による影響で死に至っているケースが多く、心臓異常・呼吸器の合併症・誤嚥などが関係しています。
  • 例えば、世界で最初にこの病気にかかった方は、合併症によって肺炎を繰り返し18.8歳で亡くなっているのです。
  • また、2番目の患者さんは、急性の誤嚥によって18歳で亡くなっています。

遺伝する病気ですか?

  • この病気は、先述したようにRPS6KA3遺伝子によって引き起こされます。この遺伝子はX染色体にあることから、X連鎖遺伝と呼ばれる遺伝形式をとることが特徴です。
  • そして、この遺伝形式では、女性が病気の保因者であることが分かっています。そのため、女性が無症状の場合でも、お子様に遺伝する可能性があるのです。
  • 男性患者の場合、その娘は保因者になりますが、息子には遺伝しません。

日常生活で気をつけることはありますか?

  • 日常生活に大きくかかわる症状が、刺激誘発転倒発作です。そのため、できるだけ驚かさないように注意が必要です。
  • 転倒がひどい場合には、保護帽を着用の上、行動に気をつける必要があります。必要に応じて車いすを利用することも、検討すると良いでしょう。
  • また、成長に応じて、脊椎変形や運動機能の低下を引き起こすことがあります。その場合は、さらに行動に注意が必要です。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • コフィンローリー症候群は、乳幼児から認められる病気です。健康に過ごせる方も多いですが、合併症を引き起こす可能性のある恐ろしい病気となります。
  • また、合併症を引き起こした場合には、命に関わることも少なくありません。症状に応じて適切な治療を進めるためにも、正しい知識を身につけて、注意して生活しましょう。

編集部まとめ

笑顔で診察をする医師
コフィンローリー症候群は、知的障害運動障害などさまざまな症状・合併症を引き起こす可能性がある恐ろしい病気です。

難病にも指定されており、未だ根本的な治療方法は確立されていません。しかし、大きな影響なく日常生活を送れている方も多いです。

合併症や日常生活で注意すべきことはありますが、定期的な受診や正しい対処療法を続ければ、健康に過ごせるのです。

病気を正しく把握して、症状の悪化にいち早く気づけるようにしておきましょう。

この記事の監修医師

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