「VDT障害(VDT症候群)」で受診した方が良い症状とは?検査・治療法も解説!
公開日:2025/12/28

VDT障害(VDT症候群)は、スマートフォン・パソコンなどのIT機器を使用した作業によって生じる様々な症状のことです。
IT機器を使う機会が増えた現代のライフスタイルは、目が疲れやすい生活習慣ともいえ、多くの人が目の疲れや不調を抱えています。
目の疲れ・不調をはじめとするVDT障害(VDT症候群)は全身症状を招く恐れがあり、単なる目の疲れと軽視するのは危険です。
現代人が注意したい VDT障害(VDT症候群)の検査と治療方法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「VDT障害(VDT症候群)」になりやすい人の特徴はご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
荒井 宏幸(医療法人社団ライト みなとみらいアイクリニック)
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防衛医科大学校卒業。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院などで近視矯正手術・白内障手術を中心に診療経験を積んだ後、2010年に現職の「医療法人社団ライト」理事長に就任。医学博士。日本眼科学会認定眼科専門医。みなとみらいアイクリニック主任執刀医、クイーンズアイクリニック院長、防衛医科大学校非常勤講師。自身もレーシック手術を受けている。講演・出演・著書など多数。
目次 -INDEX-
VDT障害(VDT症候群)の検査と治療

どんな症状が現れた場合に病院を受診すべきでしょうか?
- 厚生労働省では、VDT障害(VDT症候群)を訴える人が増加傾向にある背景から「VDT 作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を設けました。このガイドラインでは、VDT作業に従事する人に対して健康管理・健康診断の項目を定めています。
- 作業区分に応じて必要な健康診断の項目が定められており、その中にはVDT障害(VDT症候群)の兆候を見つけるための項目が含まれています。
- VDT作業に従事し、健康診断にて問題がみつかった場合は病院を受診しましょう。VDT検診の機会がなくても、長時間パソコン・スマートフォンを使用することが多く、眼精疲労・肩こり・腕のしびれなど心身の不調を感じている場合は一度病院を受診しましょう。
- VDT障害(VDT症候群)は命に関わる症状とは言い難いですが、症状がひどくなると頭痛・吐き気・鬱症状など日常生活に支障をきたします。
- 慢性的な目の疲れ・目の乾きがあり、だるい・肩こりが辛いなどの自覚症状がある場合はVDT障害(VDT症候群)を疑い、早めに診察を受けるようにしましょう。
VDT障害(VDT症候群)の検査方法を教えてください。
- 前述でお伝えしたVDT障害(VDT症候群)の兆候をみつけるための検診では、眼科学的検査・筋骨格系検査を行うとともに自覚症状の有無の調査を行います。
- VDT障害(VDT症候群)は、目に関する症状が圧倒的に多いです。そのため、視力検査・屈折検査・調節機能検査・眼位検査などを行います。
- 筋骨格系検査では、腕や指の運動機能の検査・圧痛点などの検査を行い、VDT障害(VDT症候群)かどうか、もしくは症状の程度を診断していきます。
- 検診ではなく自覚症状がありご自身で病院に行く場合も、これらの検査でVDT障害(VDT症候群)に当てはまるかどうかを調べていく場合が大半です。
VDT障害(VDT症候群)の治療方法を教えてください。
- ドライアイの症状がみられる場合は、点眼薬による治療を行います。点眼薬は、VDT障害(VDT症候群)の代表的な治療です。
- 目に潤いを与える目的以外にも、目の疲れを和らげる・涙の質を改善させる目的で点眼薬による治療を行う場合もあります。また、同じ薬を使用した治療でも、身体や目の緊張をほぐすために飲み薬による治療方法をとるケースもあります。ただし、薬による治療は、VDT障害(VDT症候群)の根本的な治療とはいえません。
- ブルーライト用のメガネを使用する・視力に合ったメガネやコンタクトを使用する・長時間のVDT作業を控えるなど、目が疲れる生活環境を見直していくことも大切です。
編集部まとめ

目の症状だけではなく全身症状や心の不調につながる恐れのあるVDT障害(VDT症候群)は、現代人が注意したい症状の1つといえます。
日頃の生活習慣から、VDT障害(VDT症候群)の心当たりがある人も少なくないのではないでしょうか?
なかなか治らない眼精疲労・肩こり・倦怠感がある人は、もしかしたらVDT障害(VDT症候群)かもしれません。
心当たりがある場合は、放置せずに早めに専門医に相談し、大切な目や体の不調を改善していきましょう。