「喉頭軟化症」における日常の注意点はご存じですか?予後を医師が解説!
公開日:2025/12/11

喉頭軟化症とは、声帯や空気の通り道である「喉頭」の組織が柔らかく弱いために、呼吸をする際に気道を狭めてしまう病気です。
喘鳴や呼吸困難を引き起こす疾患のことを喉頭軟弱症と呼びます。
そこで、本記事では、喉頭軟化症の治療方法・後遺症なども詳しく解説するので参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「咽頭軟化症」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
目次 -INDEX-
喉頭軟化症の予後と注意点

喉頭軟化症は完治しますか?
- 乳幼児がかかる喉頭軟化症の8割~9割が自然治癒し、完治します。これは、成長に伴って弱かった軟骨部分が、正常に発達するためです。
- おおよそ1歳~2歳頃までに完治するでしょう。成人の場合は、手術を行うことで完治させることができます。
- しかし、症状によっては再度手術を行う必要もあり、継続的に経過観察することが求められます。
後遺症が残ることもあるのでしょうか?
- 病気による後遺症はありません。しかし、症状が改善されなければ、継続的な外科的治療を続けなければなりません。通常であれば、1歳ごろまでに症状の改善が見られます。
- そのため、1歳までの間の一時的な気道確保を目的とした切開手術を行うことがあります。しかし、症状が改善しなければ、その症状の度合いに応じて喉頭形成術や喉頭蓋吊り上げ術を行う必要があるのです。
- そして、それらの手術でも改善しない場合は、一時的な切開では対応できません。永続的な気管切開を行う必要があります。この場合、日常生活に大きく影響する可能性があります。
喉頭軟化症と診断された場合に日常生活で注意することを教えてください。
- この病気の診断を受けた場合、日常生活では次のような項目に注意しましょう。
- 体重の管理
- 呼吸状態が悪化する風邪や気管支炎などの感染
- この病気にかかると、上手く哺乳ができない可能性があります。その結果、体重がきちんと増えてくれないことがあるのです。
- 一方で、体重が増えすぎてしまった場合には、気道が狭くなってしまいます。これによりさらに喘息を悪化させたり、呼吸困難を引き起こしてしまったりするため、注意が必要です。
- さらに、乳幼児・成人問わず、呼吸状態が悪化する風邪や気管支炎などの感染症には注意しましょう。そのためにも、普段の消毒だけでなく、適切なタイミングで予防接種などを受けるようにすることが大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 乳幼児の喘息のほとんどが、喉頭軟化症によるものです。吸気性の喘息であるため、気管支喘息などと比べると、わかりやすいでしょう。
- 重篤な症状を伴う場合もありますが、ほとんどの場合、成長とともに自然治癒する病気です。そのため、適切な治療を行えばきちんと治ります。
- 専門の医療機関に相談して、適切な治療や注意事項を把握して、しっかりと治しましょう。
編集部まとめ

喉頭軟化症は、乳幼児からかかる病気であり、呼吸困難など引き起こす可能性がある恐ろしい病気です。
しかし、治療は難しいものではなく、成長とともに完治する可能性のある病気です。一方で、重症となると手術が必要な場合もあります。
症状に合わせて適切な治療を受けるためにも、自己判断で放置することなく、専門の医療機関にかかりましょう。