「おたふく風邪」を疑う場合何科に受診すれば良い？検査法・治療法も医師が解説！

　公開日:2025/12/29

おたふく風邪というと、子どもの頃に罹患するイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

正式名称は流行性耳下腺炎とよばれ、3～6歳の子どもに多く起こる疾患です。

しかし、大人でも罹患する可能性があり、場合によっては合併症を引き起こしたりや後遺症が残ったりするため注意が必要な疾患でもあります。

今回は、おたふく風邪の検査法・治療法について詳しくまとめました。

※この記事はメディカルドックにて『「おたふく風邪」が重症化するとどうなるかご存知ですか？医師が監修！』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師：
武井智昭（高座渋谷つばさクリニック）

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院（小児科医長）で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定　インフェクションコントロールドクター（ICD）、臨床研修指導医（日本小児科学会）、抗菌化学療法認定医
医師＋（いしぷらす）所属

目次 -INDEX-

おたふく風邪の診断・検査
編集部まとめ

おたふく風邪を疑う場合は何科を受診すれば良いですか？

おたふく風邪を疑う場合、お子さんなら小児科を大人の方なら内科か耳鼻咽喉科を受診してください。
受診の際は、おたふく風邪の可能性があることを伝えておくと良いです。
症状が悪化した場合や、合併症の可能性がある場合は夜間・休日でも開いているクリニックや救急外来を受診してください。

おたふく風邪はどのように診断するのでしょうか？

おたふく風邪の診断は患者さんの周りの環境・症状・検査の結果を総合して診断します。特別な検査をしないで判断されるケースも多いです。
診断の基準は下記の通りになります。

耳下腺や顎下腺の腫れ、痛みの有無
発熱
おたふく風邪の流行状況
おたふくかぜ患者との接触の有無

唾液や髄液を摂取して行うウイルス検査や血液検査をすることもありますが検査には時間がかかるため、一般的には行われることは少ないです。ただ、おたふく風邪に似た別の疾患と区別するために、ウイルス検査を行うケースもあります。

検査方法が知りたいです。

上でも少しお話しましたが、おたふく風邪の検査で行うのはウイルス検査と血液検査です。唾液や髄液を接種して行うウイルス検査は症状がでてから早い段階で、検体を摂取することが必要になります。
血液検査は抗体の有無を調べる検査です。ただ、どちらも一般的には保険診療では実施しておらず結果がでるまで時間がかかります。そのため、検査を行うクリニックは少ないです。
ただ、おたふく風邪の確定診断が必要な方や、何度もおたふく風邪のような症状がでる方は検査をしてもらいましょう。

おたふく風邪の治療方法を教えてください。

現段階で、おたふく風邪の原因になるムンプスウイルスに対する効果的な治療方法はありません。特効薬もなく、おたふく風邪の主な治療は痛みや発熱への対症療法が行われます。
脱水症状などに注意をしながら、自宅で療養をしましょう。酸っぱいものなど唾液を分泌させるものは、痛みが悪化する可能性があります。
固いものも痛みがでやすいため、刺激の少ない柔らかいものを中心に栄養を摂って下さい。