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染色体異常症「エドワーズ症候群との向き合い方」とは?医師が解説!

 公開日:2025/12/17
染色体異常症「エドワーズ症候群との向き合い方」とは?医師が解説!

エドワーズ症候群は、出生児に起こる染色体異常症の1つとされています。出生時の染色体異常症の中ではダウン症候群に次いで多い疾患です。

染色体異常症は、どの染色体が異常な数であるかによって症状が異なります。では、エドワーズ症候群は他の染色体異常症と何が違うのでしょうか?

ここではエドワーズ症候群の出生児との向き合い方について解説します

※この記事はメディカルドックにて『「エドワーズ症候群」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

エドワーズ症候群との向き合い方

空と親子

エドワーズ症候群で生まれた子供との向き合い方を教えてください。

  • 他の発達遅滞児とは違い、エドワーズ症候群の小児は生命維持に直結する医療的ケアが必要になります。そのため、家族の支えが非常に重要です。
  • 特にお母様の負担が大きくなるため、父親や他の家族が母子共々支えることが必要になります。
  • 日々の医療的ケアに失敗して我が子を死なせてしまうのではないかという不安はとても大きなものです。
  • 何より目の前にいるお子様が懸命に生きようとしていることを忘れないでください。

エドワーズ症候群の子供と過ごすうえで注意すべきことはありますか?

  • エドワーズ症候群のお子様は出産を乗り越えたとしても、成長するにつれて刻々と病状が変化します。必要なケアは、病状の変化によって変わっていきます。
  • お子様の状態を医療チームとご家族でしっかり共有し、成長に合ったケアが必要です。それ以外に重要なのは、お子様のゆっくりとした成長を前向きに見守ることです。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • 出生前に胎児のことを調べるNIPTなど、出生前診断を行う機会が増えてきました。しかし、本来のNIPTは出生児に異常があった場合に出産後どうするかを事前に計画立てておくための検査です。
  • もし出生前診断を行った結果、エドワーズ症候群と確定診断された場合は、混乱せずに落ち着いて迎え入れる準備をしましょう。
  • 新生児集中治療が可能なクリニックを選ぶ・お母様やご家族のサポートが可能なカウンセラーを見つけるなどの準備はできます。
  • 落ち着いてお子様を迎え入れる準備をしてあげてください。

編集部まとめ

手をつなぐ親子
エドワーズ症候群は、出生後の生存率が非常に低い先天性疾患ですが、現在は技術の向上により生存率が上がっています。

しかし、いまだ寿命に関しては難しい課題も多く、お子様を介護するご家族へのサポートも必要な疾患です。

成長に合わせた医療ケアと、ご家族の精神的ケアが非常に重要視されます。トリソミー児をもつ親の集まりに積極的に参加することも必要です。

エドワーズ症候群はNIPTと羊水検査で出生前に確定診断可能ですが、これは生まれる胎児に異常があった場合に備えるための検査ということを忘れないようにしてください。

この記事の監修医師

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