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「潜水病の症状」はご存じですか?BMIや体調などなりやすい人の特徴も医師が解説!

 公開日:2025/12/25
「潜水病の症状」はご存じですか?BMIや体調などなりやすい人の特徴も医師が解説!

潜水病とは、海中から陸に浮上する際に起こる病気のことであり、減圧症ともいわれる病です。

仕事で潜水を伴う方や、アウトドアでスキューバダイビングをする方は、押さえておいた方が良い知識です。

そこで、この記事では潜水病について、原因・症状などを詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「潜水病」の後遺症・症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。

潜水病の原因と症状

医者

潜水病とはどのような病気ですか?

  • 減圧症とも呼ばれるこの病気は、深く潜水した際に起こる可能性が高い病気です。
  • そのため、ダイバーの方や海上自衛隊の方など、潜函作業を行う方に起こりやすい病気といわれています。
  • スキューバダイビングなどで深く潜水したときには、人は高い気圧を受けた状態となります。そして、そこから地上に戻る際に、環境圧が平常気圧へと急激に低下するため起こるのです。
  • この病気を引き起こさないためには、あらかじめ予防方法や治療方法を備えておくことが非常に大切になります。
  • 予防方法さえ押さえておければ、発症率を大きく下げることができるのです。

潜水病を発症するメカニズムについて教えてください。

  • この病気を発症するメカニズムは、スキューバタンク環境圧が大きくかかわっています。
  • 一般的に、深く潜水する際には、スキューバタンクと呼ばれる酸素の入ったタンクを背負います。
  • そのタンク内には、呼吸に不可欠な酸素が入っていますが、実は酸素だけではありません。
  • タンクの中には窒素も含まれており、この窒素が原因物質となっているのです。タンク内の酸素と窒素の割合は、酸素2割・窒素8割となっており、潜水をしていると徐々に血液中や細胞の中に窒素がたまっていきます。
  • 窒素が体内にたまること自体は、問題ありません。しかし、一定以上の窒素が体内にたまった状態で、陸上に上がろうとするとこの病気を発症します。
  • 通常、深く潜ると、圧力は高くなります。この状態では、発症しません。しかし、陸上に上がろうとすると、徐々に圧力が低くなります。すると、身体にたまった窒素が、血液や細胞の中で気泡を形成するのです。
  • 体内では、キャップを開けた炭酸飲料のように泡を発生させている状態となります。これが病気発症の仕組みです。

原因は何ですか?

  • この病気は、先述したようなタンク内の窒素や潜水による圧力の低下が原因となります。
  • しかし、症状発症のリスクを高めたり、悪化させたりする原因としては次のようなものも関係しています。
  • 肥満
  • 高齢者
  • 飲酒
  • 脱水
  • 疲労
  • BMIが25以上ある方の場合、発症のリスクが高くなる傾向です。また、40歳以上の方は、未満の方よりも発症リスクが高いといわれています。
  • 飲酒は、脱水症状を引き起こす原因となります。その他、下痢や嘔吐による脱水・水分摂取が少なく脱水症状を起こしている場合、発症リスクを高める傾向です。
  • 身体が疲れている時や、体調不良を起こしている時も、発症しやすくなります。
  • また、複数回潜水を行うと、1回の潜水よりも発症リスクを高めるといわれています。これは、身体に窒素が溶け残ったままになっているためです。

どのような症状がありますか?

  • この病気の具体的な初期症状としては、潜水中の息切れ・疲労感・筋肉や関節の痛みなどが代表的です。
  • しかし、症状が悪化すると損傷した部位に応じて次のような減圧症に分類され、異なった症状を示します。
  • Ⅰ型減圧症
  • Ⅱ型減圧症
  • Ⅰ型減圧症は、比較的軽傷のタイプであり、典型的な痛みが伴うタイプです。痛みの生じる場所としては、腕や足の関節・背中・筋肉などです。最初は、軽度の断続的な痛みですが、徐々に痛みが激しくなります。
  • 痛みは、骨に穴をあけられているような痛みと表現される程であり、動かしていると悪化する可能性があります。
  • 痛みの他には、かゆみ・皮膚の斑・リンパ節の腫れ・発疹・極度の疲労なども起きる場合がありますが、比較的稀です。
  • 一方で、Ⅱ型減圧症の場合は重症の部類となります。腕や足のしびれ・痛み・筋力低下などが、個別で発症する場合や複合して現れる場合があります。
  • また、排尿・排便がコントロールできなくなる症状や、腹痛・背部痛なども良く現れる症状です。さらに、重度の頭痛・錯乱・複視・めまい・意識喪失なども起こす可能性があります。
  • 肺にも気泡が運ばれるようなことがあれば、咳や胸痛を引き起こし、呼吸困難を発症する場合もあるでしょう。

編集部まとめ

海底をダイブ
潜水病は、誰しも発症するリスクのある、身近で恐ろしい病気です。最悪の場合、死に至ることもあります。

しかし、正しい知識を備えて予防できれば、発症リスクは大きく下げることが可能です。

後遺症などを残さないためにも、予防方法や治療方法などをしっかりと押さえましょう。また、万が一異変を感じた場合は、専門の医療機関に相談しましょう。

この記事の監修医師

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