「掌蹠角化症を放置すると起こるリスク」はご存じですか?注意点も医師が解説!
公開日:2025/12/11

皮膚の病気の中には、手のひらや足の裏の皮膚が厚くなり硬くなる掌蹠角化症という疾患があります。
掌蹠角化症は症例数が少なく珍しい疾患であるため、病名を初めて耳にする方も少なくないかもしれません。
遺伝性の皮膚疾患である掌蹠角化症は様々な種類があり、疾患によっては命に関わる合併症を伴うケースもあります。
また、手足の多汗や悪臭など生活においてストレスを伴う症状があらわれるケースも多く、注意すべき疾患の1つです。
掌蹠角化症のリスクと注意点について詳しく解説いたします。
※この記事はメディカルドックにて『「合併症」の可能性もある「掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)」はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)
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2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
目次 -INDEX-
掌蹠角化症のリスクと注意点

掌蹠角化症は治るのでしょうか?
先天性の場合、根治的な治療法はまだ確立しておらず、一概に治る疾患とはいえません。対処療法にて症状を和らげながら、根気強くケアしていく必要があります。
一方で、後天性の場合は原因の除去や原因疾患の治療により、症状の改善や根治が期待できます。
一方で、後天性の場合は原因の除去や原因疾患の治療により、症状の改善や根治が期待できます。
放置するリスクはありますか?
先天性掌蹠角化症は、加齢に伴って症状が少しずつ悪化する可能性が高いです。そのため、症状があるにもかかわらず放置することは症状が重症化していくリスクにつながります。
また、掌蹠角化症は合併症を引き起こす場合もあります。合併症の内容によっては命に関わるものもあるため、放置しておくことは避けるべきです。
命に関わらなくても、症状の進行によって手足の変化・多汗による悪臭などで不便さ・ストレスを感じる可能性も高いです。「単なる皮膚の異常だから」「命に関わらないから」と放置するのは避け、症状がみられる場合は早めに専門医に相談しましょう。
また、掌蹠角化症は合併症を引き起こす場合もあります。合併症の内容によっては命に関わるものもあるため、放置しておくことは避けるべきです。
命に関わらなくても、症状の進行によって手足の変化・多汗による悪臭などで不便さ・ストレスを感じる可能性も高いです。「単なる皮膚の異常だから」「命に関わらないから」と放置するのは避け、症状がみられる場合は早めに専門医に相談しましょう。
掌蹠角化症で注意すべきことを知りたいです。
掌蹠角化症は、稀に重篤な合併症が伴う疾患です。そのため、がん・心筋症などの命に関わる合併症を見落とさないことが重要です。発症が疑われる場合は、手足の病変だけではなく全身疾患の1つの症状として捉えていくことが必要になります。
また、日本では先天性掌蹠角化症が多く、大半の場合が生後間もない頃から2~3歳の間に症状がみられます。幼い子どもが、自分で手足の変化に気付き申告することはあまり考えにくいことです。そのため、保護者が子どもの手足をしっかり観察し、病変に気付くことも大切です。
また、日本では先天性掌蹠角化症が多く、大半の場合が生後間もない頃から2~3歳の間に症状がみられます。幼い子どもが、自分で手足の変化に気付き申告することはあまり考えにくいことです。そのため、保護者が子どもの手足をしっかり観察し、病変に気付くことも大切です。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
掌蹠角化症は幼い頃に発症することが多く、長い間付き合っていかなければいけない疾患ともいえます。そのため、「どうせ治らないから」と通院や治療を諦めてしまったり放置したりする患者さんもいます。
しかし、掌蹠角化症の中にはリスクの高い合併症を引き起こすものもあるため、根気強く適切な治療を続けていくことが大切です。早期の診断・治療が、合併症予防につながる場合もあります。掌蹠の肥厚など掌蹠角化症が疑わしい場合は、早めに皮膚科・専門医に相談しましょう。
しかし、掌蹠角化症の中にはリスクの高い合併症を引き起こすものもあるため、根気強く適切な治療を続けていくことが大切です。早期の診断・治療が、合併症予防につながる場合もあります。掌蹠の肥厚など掌蹠角化症が疑わしい場合は、早めに皮膚科・専門医に相談しましょう。
編集部まとめ

掌蹠角化症は珍しい疾患です。しかし、遺伝子の変異によって起こるため、掌蹠角化症になる可能性は誰にでもあります。
また、まだ解明されていない部分も少なくなく、根治的な治療方法がまだ確立されていない疾患でもあります。
だからこそ、放置せず異変を感じたら早めに対応することが大切です。適切な処置を続けていくことがリスクの高い合併症予防にもつながります。
また、乳児・幼児の間に発症することが多い疾患です。子を持つ親御さんはお子さんの手足の変化に注意していきましょう。