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「甲状腺嚢胞」の症状・原因はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/03/18
甲状腺嚢胞の症状と原因

甲状腺が腫れてしまう症状には様々なものがあります。しかし、甲状腺にしこりのような腫瘍ができる「甲状腺嚢胞」という症状名は普段あまり耳にすることがありません。
ここでは、甲状腺にできる腫瘍の1種である甲状腺嚢胞の症状・原因について解説します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

※この記事はMedical DOCにて『「甲状腺嚢胞」は「首が腫れる・声がかすれる」といった症状が現れるの?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲状腺嚢胞の症状と原因

喉に違和感を感じる女性

甲状腺嚢胞とはどのような病気でしょうか?

甲状腺嚢胞は、腺腫様甲状腺腫・腺腫様結節・濾胞腺腫・甲状腺嚢胞・機能性結節など良性腫瘍の一種です。甲状腺にできるしこりのような腫瘍は総称して「結節性甲状腺腫」と呼ばれています。結節性甲状腺腫でも良性腫瘍の場合、状態や状況によって分類されています。この良性の結節性甲状腺腫の1つが甲状腺嚢胞と呼ばれているのです。
嚢胞の大きさは人によってバラバラです。特に異常を感じていない人に超音波検査を行うと、約10人に2~3人の割合で小さい嚢胞が見つかるほど一般的な症状でもあります。そのため、嚢胞があっても気づかない方がほとんどです。
甲状腺嚢胞が大きくなると、頸部を手で触れてもしこりがわかるようになります。しこり自体に痛みはほとんどありません。ただし、しこりが突然大きくなった場合にのみ、痛みを感じることもあるようです。また、大きくなったしこりが喉を圧迫することもあります。

甲状腺嚢胞ができる原因は何ですか?

甲状腺嚢胞は、甲状腺の中に血液などの液体が溜まることでできる腫瘍です。甲状腺は袋状の構造物をもち、何らかの原因でそこに血液などの液体が溜まると腫瘍となります。それ以外の原因で腫瘍ができることもありますが、何故腫瘍ができるのかはわかっていません。DNAの異常が原因となっているケースはごくわずかです。

甲状腺嚢胞は悪性腫瘍の場合もあるのでしょうか?

悪性腫瘍の場合もあります。ただし、甲状腺嚢胞の約95%が良性腫瘍です。極めて稀に癌に伴う嚢胞もあるため、注意を要します。

しこりができる以外にも症状はありますか?

しこりができる以外の症状はほとんどありません。しかし、しこりができることによって以下のような症状が発生する可能性があります。

  • 首が腫れる
  • 食べ物が飲み込みにくくなる・飲み込む時に違和感がある
  • 声がかすれてしまう
  • 痛みがある

これらの症状は、しこりが気道・食道・声帯の一部を圧迫し始めることで起きています。この場合は早めに医師の診察を受け、しこりを除去する治療に移るようにしてください。

編集部まとめ

喉が気になる女性
目立たないものが多い腫瘍です。ただし、触ってわかるほどのしこりとなってしまった場合にはしこりを除去する治療がとられます。

甲状腺嚢胞はほとんどの場合、治療を行わず経過観察となることが多いです。すぐに治療が必要な症状ではないため、診断されたとしても不安になりすぎる必要はありません。

もし頸部に触ってわかるほどのしこりがあった場合は、医師の診察を検討しましょう。

この記事の監修医師

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