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「異食症」は『ADHDや発達障害と関係』があるのか?予防法も医師が解説!

 公開日:2025/11/26
「異食症」は『ADHDや発達障害と関係』があるのか?予防法も医師が解説!

異食症とは、氷・土・毛髪を始めとした「本来食べない物」「栄養がない物」を食べてしまう疾患です。 異食症自体に重篤な症状はないですが、食べてしまった物によっては身体に不調をきたします。そのため、今後のためにも治療が必要な疾患です。 では、異食症はなぜ引き起こされてしまうのでしょうか?どのような人が異食症になってしまうのでしょうか? 今回は、異食症の受診と治療方法について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「異食症」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

異食症の受診と治療方法

パソコンの前で手振りで話す医者

ADHDや発達障害との関係を教えてください。

異食症は認知機能の障害によっても引き起こされます。そのため、発達障害による認知機能発育の遅れが、異食症の要因になる場合もあるのです。
ADHDの場合も「やってはいけないことをしたい」という欲求に逆らえず食べてしまう、という行動にあらわれ出る場合があります。どちらの疾患も進行する過程で引き起こす場合が多く、初期症状の段階ではあらわれ出ることはあまりありません。また、同様に認知症においても異食症があらわれ出る場合があります。

異食症を予防する方法はありますか?

妊娠中の異食症予防は、鉄欠乏性貧血の予防が最適です。鉄・亜鉛を補うようにすると、異食症の症状が出にくくなります。子供の場合には、乳幼児期に異食行為をやめさせるようにしましょう。
常態化すると乳幼児期を過ぎても異食行為を続けるようになってしまいます。認知症患者の場合は、空腹の時間帯を減らすことによって異食行為を防止できます。1食の量を減らし、食事回数を増やすことで空腹の時間帯を減らしましょう。

家族はどのようにサポートすれば良いでしょうか?

まず、口の中に物を入れた所を見てしまった場合は決して大声を上げないようにしてください。びっくりさせてしまうと、そのまま飲み込んでしまうことがあります。また、大声を聞くことによるストレスで異食行為がエスカレートする場合があります。
優しく吐き出すように誘導してください。ただし、固形物をもし飲み込んでしまった場合は対処が必要です。紙などの場合は、時間はかかりますがいずれ消化されます。詰まっていなければ様子を見るようにするだけで良いでしょう。
ただし、金属(小銭や電池など)・ガラス・ビニールなどの固形物を飲み込んだ場合や洗剤を飲んでしまった場合は、病院を受診させてください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

異食症は周囲のサポートが必要な疾患です。異食症そのものは重篤な症状を引き起こしませんが、もし口にした物が有害な物質なら生命に関わることがあるかもしれません。そのため、周囲のサポートで異食行為が和らぐようにしていきたいところです。
子供の場合は発達上自然な行為なため、そこまで焦ることもありません。食べてはいけない物だというのを優しく教えていけば、正常に発達していくケースが多いです。もし周囲の方が異食症と診断された場合は、頭ごなしに否定せず穏やかに接しましょう。

編集部まとめ

おにぎりを食べる子供 異食症は、誰でも起こりうる疾患ではありません。ただし、小さなストレスが積み重なったり、栄養が不足していたりなどの理由から引き起こされることがあります。 だからこそ日々の積み重ねで予防できる疾患ともいえます。乳幼児や認知症患者の場合は異食行為を見かけたら優しくやめさせることが大事です。 もしご自身が異食の欲求に耐えられなくなってきたら、もしかすると栄養が足りていないかもしれません。

この記事の監修医師

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