「早老症の平均寿命」は何歳かご存じですか?日常の注意点を医師が解説!
公開日:2025/12/19

早老症とは、通常よりも若い年代で老化現象が起きてしまう病気です。国の指定難病にもなっています。およそ20~50万人に1人の確率で発症すると推定されています。
多くの場合、動脈硬化など老化に伴う合併症を引き起こしてしまう病気です。そのため、発症すると日常生活において周囲のサポートが必要不可欠になります。
今回は早老症の日常生活での注意点などについて解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「早老症」の診断基準となる症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
目次 -INDEX-
早老症の予後と日常生活での注意点
早老症はどのような経過をたどりますか?
早老症による老化現象で合併症の危険が高まります。そのため、通常の成人よりも様々な病気のリスクが非常に高いです。現在では合併症の治療・対策が進んでいるため、合併症で死亡するリスクは減りましたが、定期的に悪性腫瘍の検査を行う必要があります。
また、かかとや足・肘などに治りにくい傷を抱えてしまい、痛みや感染症によって足を切断するケースもあります。これらの症状が出ることにより、加齢するにつれ生活に支障が出てしまう例が多いです。
また、かかとや足・肘などに治りにくい傷を抱えてしまい、痛みや感染症によって足を切断するケースもあります。これらの症状が出ることにより、加齢するにつれ生活に支障が出てしまう例が多いです。
寿命について教えてください。
以前までは合併症により40歳代で亡くなることが多かったのですが、近年では合併症への対処が可能になったため50~60歳代まで生存する患者が増えています。
ただし、足・肘などの潰瘍による感染症のリスクは否定できないため、必ず60歳代まで生きられるというわけではありません。日常生活に関しても注意が必要です。周囲のサポートによりできるだけ長く生存することも可能な病気でもあるということになります。
ただし、足・肘などの潰瘍による感染症のリスクは否定できないため、必ず60歳代まで生きられるというわけではありません。日常生活に関しても注意が必要です。周囲のサポートによりできるだけ長く生存することも可能な病気でもあるということになります。
日常生活での注意点を教えてください。
早老症の患者は、定期的な通院で悪性腫瘍の検査や代謝異常をチェックする必要があります。これにより、死に直結する合併症のひとつである動脈硬化が進行するのを阻害することが可能です。
合併症への対処の他には、潰瘍ができやすい箇所へのケアが必要になります。具体的にはアキレス腱・かかと・肘といった関節部分に潰瘍ができやすいです。早老症になると皮膚が薄く硬化してしまうため、骨が当たると傷がついてしまいます。
これらの部位を日頃からケア・観察をすることにより、重度の難治性皮膚潰瘍による日常生活の支障を防ぐことができます。どうしても傷ができてしまった場合は、装具をつけて保護することも可能です。
合併症への対処の他には、潰瘍ができやすい箇所へのケアが必要になります。具体的にはアキレス腱・かかと・肘といった関節部分に潰瘍ができやすいです。早老症になると皮膚が薄く硬化してしまうため、骨が当たると傷がついてしまいます。
これらの部位を日頃からケア・観察をすることにより、重度の難治性皮膚潰瘍による日常生活の支障を防ぐことができます。どうしても傷ができてしまった場合は、装具をつけて保護することも可能です。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
早老症は非常にまれな病気です。難病にも指定されており、発症すると完治はできません。しかし、周囲のサポートにより症状を和らげたり、合併症の進行を防ぐことも可能です。
身体機能の衰えにより日常生活に支障が出る可能性があるため、日頃から周囲のサポートが必要になる病気です。もしご家族に早老症を発症した方がいらっしゃったら、ご自身でできることから日常生活のサポートをしてあげてください。
身体機能の衰えにより日常生活に支障が出る可能性があるため、日頃から周囲のサポートが必要になる病気です。もしご家族に早老症を発症した方がいらっしゃったら、ご自身でできることから日常生活のサポートをしてあげてください。
編集部まとめ

早老症は20歳代から老化現象が発現する難病です。白髪化・白内障の他、身体の内部から動脈硬化などの疾患が現れる可能性のある病気です。
完全な治療方法はまだ確立されていません。そのため、発症するとできることは対症療法となります。
ただし、現在では合併症への対処が可能になったため、60歳代まで生存できるようになりました。
早老症には周囲のサポートが必要不可欠です。日常生活のサポートや、合併症への対処など無理のない範囲でサポートしてあげてください。
