「胸郭出口症候群の予防法」はご存じですか?治療中の注意点も医師が解説!
公開日:2025/12/13

胸郭出口症候群は首と胸の境界にある胸郭出口という部位が、腕を酷使することによって圧迫されてしまう病気です。
発症原因を理解して日常的に予防を行うことがおすすめです。
そこでこの記事では胸郭出口症候群の原因や症状を踏まえながら、専門的な治療方法と意識するだけで効果がある予防方法をご紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「胸郭出口症候群」のストレッチ・チェック法はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
目次 -INDEX-
胸郭出口症候群の予後

胸郭出口症候群は完治しますか?
- 症状が重症化し、合併症を引き起こさない限りは完治するといっていいでしょう。しかしリハビリやマッサージだけでは完治までに時間を有するほか、生活習慣を改善していかないとずるずる長引くことが考えられます。
- 自分の癖を取り除かなければすぐに再発してしまうので、長期間整体に通い徹底的に改善を目指さないと難しいのは事実です。毎日コツコツとセルフケアを行い、素早い回復を図りましょう。
胸郭出口症候群の治療中に注意することがあれば教えてください。
- まずは発症の根本原因となった、肩に負担がかかる動作を減らしていくことが大切です。血管のつまりを解消するサポーターが支給されることがあるので、適切に取り入れながら徐々に回復を目指しましょう。
- また、食生活にも意識を向けると効果的です。ビタミン類が多く含まれる野菜や果実を積極的に摂取しながら、カフェインを避けるようにしてみてください。
胸郭出口症候群の予防方法・ストレッチ法・チェック法が知りたいです。
- 胸郭出口症候群の予防は肩や首を酷使しすぎず、正しい姿勢で生活することに限ります。
- 適度な運動や寝る前のマッサージが習慣化している人は発症のリスクがほぼありません。ストレッチ方法は担当医師との相談によってプランを組み立てていきますが、首や肩を伸ばしながら良い血流を促すことが基本です。過度な負荷をかけることは必ず避けましょう。
- 回復度合いはCTA検査や右腕・左腕の血圧測定から判断します。セルフチェックの場合は痛みやしびれの体感を意識し、無理なく肩や首が動かせるかなどを確認してみてください。
最後に、読者へのメッセージがあればお願いします。
- 胸郭出口症候群は日常生活の中で予防ができる病気です。正しい姿勢を意識し、身体を労わりながら過ごしていれば恐れることはありません。
- それでも万が一しびれや痛みを感じたときは、自己判断で解消していくのではなく専門医にかかることをおすすめします。専門的な知識を取り入れ、段階を踏みながら治療してください。ただしスポーツ選手の場合は練習ができずもどかしい思いをしてしまうかもしれませんが、これから長くプレーするためには安静が一番です。
- 早期に治療を施し、じっくりリハビリをしていけば解消していくので、急がずに向き合っていきましょう。
編集部まとめ

病名や症状を聞くと恐怖心を抱くかもしれませんが、日常に潜む根本の原因を冷静に解消していけば防げるものです。デスクワークや運動も過度にやりすぎることが禁物だと理解できたのではないでしょうか。
この記事を読まれた方は1日3分でも肩や首のマッサージを行い、正しい姿勢を意識する習慣を身に着けてみてはいかがでしょうか。痛みや冷えに悩まされない毎日を過ごしていきましょう。