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「二分脊椎」を疑ったら何科を受診すれば良い?検査法と診断基準を医師が解説!

 公開日:2025/12/28
「二分脊椎」を疑ったら何科を受診すれば良い?検査法と診断基準を医師が解説!

二分脊椎は妊娠6週目の胎児が脊柱管の形成不良によって引き起こされる重い病気です。出生後に早急な手術を有するほど危険性の高いものから、出生時におしりから腰にかけての異常なくぼみ、毛髪組織、色素異常(母斑)により発見される場合まで様々です。

しかし胎児の長い人生に関わる大事な選択が迫られるからこそ、事前に診断方法や検査の仕方など適切な知識を身に着けておかなければなりません。

そこでこの記事では二分脊椎の診断と検査方法について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「二分脊椎」とは?症状・原因・成人してから発症する場合についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

二分脊椎の診断と検査

MRI

何科を受診したら良いのでしょうか?

  • 併発する症状にもよりますが、小児科と整形外科での診察は必須です。脳に障害が見られたら脳神経外科を、排泄障害があるときは泌尿器科を受診するなど、各科を転々とすることが多くなります。
  • 一概にはいえないものなので、診断結果を基に専門医からの指示に従うようにしてください。

どのように診断するのですか?

  • 二分脊椎の診断は出生前に行うことが一般的です。
  • 内容は脊柱や脳の発達度合いを確かめるスクリーニングを基本としつつ、超音波で脳の画像を取得したり、MRIで詳細なデータを取ったりする方法が用いられます。また妊娠初期の段階から経腟エコーを行うため、このタイミングで何らかの異常が見られた場合には精密検査に移行していきます。
  • 妊婦は定期的に検査を受けるためちょっとした変化に気が付きやすく、比較的早期発見がしやすい状況といえるでしょう。

二分脊椎の検査方法が知りたいです。

  • 出生前の段階で二分脊椎と診断された場合は、羊水や血液検査を用いて症状の度合いを定めます。外傷や奇形の有無に関しては診断で用いた画像を参照できるため、おおよその症状を把握することは可能です。
  • 出生後は肉眼での診察を行いながら、CTで患部の範囲や重症度を、MRIで脊髄の詳細な様子を明らかにしていきます。
  • これらで取得したデータを基に二分脊椎のレベルを定めていき、治療の方針を固めていくのが一般的な流れです。

編集部まとめ

散歩する親子
二分脊椎は主に胎児が発症するため、精神的な面でも負担の大きい病気です。

大規模な手術を受けても長期間のリハビリがあることから、心が晴れない日々が続くと考えられます。

しかし重要なのは「前向きに生きられるような好奇心を与え続けること」です。どんな時でも寄り添って、笑顔を絶やさないことを忘れないでください。

現代は治療方法や発症リスクが低減できる取り組みが確立されています。今回の内容を参考に、適切な知識を身に着けておきましょう。

この記事の監修医師

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