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「心膜炎の治療中に気をつけること」は何かご存じですか?予防法も医師が解説!

 公開日:2025/11/28
「心膜炎の治療中に気をつけること」は何かご存じですか?予防法も医師が解説!

心膜炎は心膜という心臓を包む膜が炎症を起こすことによって胸の痛みを発症する疾患です。あまり聞き慣れない病名だと感じる方が多いかもしれません。

あるいは胸の痛みを感じることと心臓部分の疾患ということで、心筋梗塞などの心臓病との関連を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは心膜炎の予後と予防方法について解説します。この機会に心膜炎についての知識を身につけてみてはいかがでしょうか。

※この記事はメディカルドックにて『「心膜炎」になると現れる症状はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

心膜炎の予後と予防方法

手洗い

心膜炎は再発するのでしょうか?

心膜炎という病気は残念ながら再発する可能性が高い病気といえるでしょう。急性心膜炎の場合で10〜30%の患者が再発するというデータがあります。
さらには初回の再発後から、さらに再発する確率は50%にも及ぶとのことです。
ちなみに、心膜炎を再発した患者に通常の抗炎症治療と併せてコルヒチンという薬を投与することにより、初回再発後の再発を低く抑え、1週間以内に寛解することに有望だとの試験及び研究結果がイタリアで発表されています。

心膜炎の治療中に気をつけることを教えてください。

心膜炎の治療は自宅での療養ではなく、ほぼ病院に入院して行われることになります。そこで第一に注意することといえば衛生面に気をつけることです。
入院期間中の治療では治療器具による細菌感染で急性心膜炎を発症する例もありますが、入院中でも自分で行える日常的な予防及び注意としてうがい・手洗いを心がけましょう。そして自分の症状に変化はないかにも注意しておきたいものです。
症状の悪化を防ぐために少しでも症状に変化を感じた場合は医師に詳細に症状の変化を説明し、相談してください。

心膜炎の予防方法はありますか?

心膜炎の主な原因はウィルス感染によるものです。そのため一番の予防といっていいのが、一般的に行われる風邪やインフルエンザの染症予防としておなじみのうがい・手洗いです。
また免疫力の低下による発症や症状の悪化を防ぐ上で日頃からバランスの良い食事・規則正しい生活・適度な運動なども心がけることも予防の観点から良いと思われます。
前述のように風邪と思われる症状でも心膜炎の可能性があるので、いつもの風邪と少し違うなと思った時には早めに診察を受けるようにしたいものです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

心膜炎という病気は老若男女のどなたでも発症する可能性があります。主な原因はウィルスですが、多くはなくても細菌や他の病気やその病気の治療による発症もあること、初めに風邪に似た症状が出てそのまま自然治癒することもあることを鑑みると、認知度の割に身近な病気ともいえます。
反面、専門医でも診断が難しく重症化すれば命の危険もあるという怖い病気です。一度治ったと思っても再発の可能性も高く、そこから慢性化する恐れもあるので油断できない病気ともいえるでしょう。

繰り返すようですが予防することはもちろんのこと、風邪と違う症状、特に胸の痛みを感じたら医師に相談してください。

編集部まとめ

微笑む女性
心膜炎とは普段聞きなれない病気ですが、発症する原因の多さや症状の悪化などを知ってみると決して侮ってはいけない病気だと感じられたことでしょう。

専門医でも診断に難しさのある病気ですが、重症化する前に気付いた点を相談することが重要です。

心膜炎という病気に関してその症状・治療法・予防法など各種の知識をご紹介しました。病気に対して予防をすることはもちろん、もしもの時に知の備えとしてこの記事を役立てていただければ幸いです。

この記事の監修医師

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