「扁平苔癬(かゆみを伴う発疹)」は”がん化する可能性”がある?再発率も医師が解説!
公開日:2025/12/21

体のあらゆる場所にできる扁平苔癬は見た目もあまり良くなく、部位によっては再発してしまうこともあります。発症する原因は多いものの、特定できないのが難点です。
しかし、発赤や痛みなどの前兆が見られます。発症しないことはもちろん、発症したとしても治療方法を知っておけば安心です。
そこで今回は扁平苔癬の予後について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」とは?原因・がん・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)
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2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
目次 -INDEX-
扁平苔癬の予後

扁平苔癬は自然治癒する場合もあるのでしょうか?
- 一般的に1〜2年ほどで自然に消失していきます。発疹が出ていなければ、1年よりも前に消失する可能性があるでしょう。
- 発疹が出ている期間は治療の継続が必要です。途中で治療をやめてしまえば、再発したり悪化することもあるでしょう。
- 完治は難しいものの、薬でコントロールすることで症状を軽くすることが可能です。
再発の可能性はありますか?
- 部位によって異なりますが、口腔内にできた扁平苔癬は長引く傾向にあり、再発の確率は約20%です。
- 皮膚や膣に比べると口腔内は刺激を受けやすい部位であるため、刺激によって落ち着いていた部位が悪さをしてしまいます。
- 罹患してから10年経っても治らないことから、口腔内の扁平苔癬は再発する可能性が高いです。根気よく治療をすることで再発しない環境を整えることが不可欠になります。
扁平苔癬は将来がん化する可能性があると聞いたのですが…。
- まれにがん化することもあり、その確率は0.5〜2%ほどです。ただし、扁平苔癬のタイプによってがん化のリスクは変わります。粘膜のびらんを繰り返すびらん型の扁平苔癬は萎縮型や網目型の扁平苔癬に比べるとがん化しやすい傾向にあります。
- 飲食物・歯・タバコ・詰め物や入れ歯などの歯科治療材・細菌などから、常に口腔内は刺激を受けている状態です。その刺激により症状が悪化し、がん化してしまいます。また、C型肝炎を罹患している方もがん化しやすいです。そのため、扁平苔癬を治療中にがん化していないか確認するために検査をすることもあります。
- 口腔内をきれいに保つことはもちろん、歯科医院で歯のメンテナンスを定期的に行うことでなるべく刺激を少なくしがん化を避けるようにしましょう。掻きむしりすぎると痕が残る可能性があるため、定期的に軟膏を塗布するなどし再発しないようにすることが大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 一度罹患してしまうと、部位によって扁平苔癬は治療が長期化してしまうのが難点の病気です。さらに発症する原因が特定されておらず、日常生活が要因となり症状が表れます。
- そのため、少しの変化をいかに見逃さないかがポイントです。しかし、あまり気にしすぎてしまうとかえってそれがストレスとなり、扁平苔癬を起こしてしまうかもしれません。
- 体調による原因が多いことから、健康で過ごすためにも日々の体調管理はしっかり行うと良いでしょう。
編集部まとめ

症状や再発の面から見ると扁平苔癬は恐ろしい病気と認識してしまいがちです。しかし、どの病気にも少なからず前兆は見られます。
小さな変化に気づくことで、悪化の予防は十分可能です。少しでもおかしいと感じたら、医師の診察を受けるようにしましょう。
早期発見できれば早期に治療でき、治療期間も短くなる上に再発の可能性も低くすることができるでしょう。