「反社会性パーソナリティ障害(ASPD)」は予防できる?医師が解説!
公開日:2025/12/31

反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は、パーソナリティ障害の1つです。他人の痛みに無頓着で、自己の利益だけを追求することを厭いません。
そのため、時には違法行為に及ぶこともあります。また、他のパーソナリティ障害や人格障害を併発する可能性もあります。
しかし、その原因は遺伝的要因だけでなく、親との関係性などの環境要因があることがわかりました。
今回は反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の予防法について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「反社会性パーソナリティ障害(ASPD)」の特徴はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の注意点

ADHD(注意欠陥多動性障害)のチェック法を教えてください。
- ADHD(注意欠陥多動性障害)のチェック方法にはセルフチェックシートがあります。
- このセルフチェックシートでのチェックを事前に行ってから医療機関を受診すると、スムーズに診察が進むでしょう。
- セルフチェックシートなしのチェックの場合、以下の兆候が顕著な場合はセルフチェックシートを利用した方が良いとされています。
- 不注意が多い
- 注意力散漫
- 課題の順序立てができない
- 手足を動かしがち
- 静かに遊べない
- 人の喋りを遮ってしまう
- その他の特徴もありますが、いずれもADHDに当てはまる特徴です。さらなるチェックには、セルフチェックシートを利用しましょう。
反社会性パーソナリティ障害(ASPD)を予防する方法はありますか?
- 遺伝的な要因で発症する反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は予防できません。殆どの場合反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の器質を持ったまま成長します。
- ただし、環境要因での反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は予防できます。
- 環境要因では、虐待・ネグレクト・一貫性のないしつけや育児方針が原因となりえます。
- そのため、これらの環境を避けるようにすると反社会性パーソナリティ障害(ASPD)を発症しにくいです。
家族はどのようにサポートすれば良いでしょうか?
- もし家族が反社会性パーソナリティ障害(ASPD)と診断された場合は、まずご家族がそうなった背景を理解することが必要です。
- 遺伝的理由ではない場合、育ってきた環境が原因となることが多いです。だからこそ、その理由を理解することが必要になります。
- まずは攻撃的な態度を取られても冷静に対応することが重要です。また、相手の行いを否定しすぎないようにしましょう。
- 何が良くないのか、なぜ良くないのかをじっくりと伝えることが重要です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は非常に治療が難しいパーソナリティ障害です。
- 家族を始めとした周囲のサポートが必要不可欠になります。
- 諦めないことが大事ですが、まずはご自分のことを大事にしながら患者に接するようにしてください。
- 反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の患者は、他人を慮ることが難しい方が多いです。そのため、良くないことをしたらなぜ良くないのかを優しく伝えてあげてください。
編集部まとめ

反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は、完治が難しい障害です。医師だけでなく、家族など周囲のサポートが必要不可欠になります。
ただし、症状の緩和は可能です。治療目標を設定し、臨床心理士と協力しながらの心理療法が一般的です。
もしご家族が診断された場合は、悲観しすぎず辛抱強く接してあげてください。他者とのコミュニケーションによって改善する可能性もあります。
参考文献