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”ルールを守れない”のは「反社会性パーソナリティ障害の症状」?原因も医師が解説!

 公開日:2025/12/23
”ルールを守らない”のは「反社会性パーソナリティ障害の症状」?原因も医師が解説!

反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は、パーソナリティ障害の1つです。他人の痛みに無頓着で、自己の利益だけを追求することを厭いません。

そのため、時には違法行為に及ぶこともあります。また、他のパーソナリティ障害や人格障害を併発する可能性もあります。

しかし、その原因は遺伝的要因だけでなく、親との関係性などの環境要因があることがわかりました。

今回は反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の特徴や原因について詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「反社会性パーソナリティ障害(ASPD)」の特徴はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の特徴と原因

落ち込む男性

反社会性パーソナリティ障害(ASPD)はどのような障害なのか教えてください。

  • 反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は、自分の利益や快楽のために他人に対する加害(身体的・精神的問わず)を行うことができてしまう障害です。
  • 通常であれば、自分の利益や快楽のために他人を害する行為は良心の呵責を感じてしまうものです。しかし、反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の方は良心の呵責がありません。
  • 後悔することもあまりなく、犯罪を犯してしまう可能性が非常に高くなってしまいます。
  • 通常は踏みとどまる法という境界線も、反社会性パーソナリティ障害(ASPD)を発症していると容易に踏み越えてしまうことが多いです。

代表的な特徴が知りたいです。

  • 社会性パーソナリティ障害(ASPD)には代表的な特徴がいくつかあります。
  • まずは「欲求不満への耐性が低いこと」です。欲しい物を我慢できず奪い取ったり、スリルを求めたりしてしまいます。
  • 「ルールを守らないこと」も特徴の1つです。これは集団のルールだけでなく、法律という大きな社会的なルールも含まれます。
  • また、「自らのどんな行動をも正当化すること」も特徴です。これにより、どんな不誠実な行動をしても正当化してしまうのです。
  • また、これらの特徴は大きく5つのタイプに分けられます。
  • 貪欲
  • 評判・名声を求める
  • 危険を好む
  • 逃避
  • いずれも反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の特徴に当てはまる傾向にあります。

大きく5つのタイプに分けられるのですね。

  • これらの特徴はいずれも顕著になると犯罪を犯す可能性が高いため、犯罪者を調べると反社会性パーソナリティ障害(ASPD)であった、という事例もあります。
  • また、そのいずれも責任感がなく、他人を軽視する傾向にあります。それによって他人が傷ついても、自分の行いを正当化してしまうのです。

反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の原因を教えてください。

  • 反社会性パーソナリティ障害(ASPD)には、遺伝的要因環境的要因があるといわれています。
  • まず反社会性パーソナリティ障害(ASPD)を発症したうち約50%が遺伝的要因とされています。家族にすでに同じ障害を持っている場合、その子供も発症しやすいです。
  • 反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の患者には、ある一定の染色体に共通した異常がみられています。残りの約50%は環境的要因です。
  • 心理的・社会的に強いストレスにさらされて生育した場合、反社会性パーソナリティ障害(ASPD)を発症することがあります。
  • 主に道徳心や倫理観が育たない環境での生育が原因です。また、原因としては軽度発達障害との関連も指摘されています。
  • ADHDの子供のうち、適切な支援が受けられない場合に反社会性パーソナリティ障害(ASPD)を発症してしまうというものです。

編集部まとめ

親子
反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は、完治が難しい障害です。医師だけでなく、家族など周囲のサポートが必要不可欠になります。

ただし、症状の緩和は可能です。治療目標を設定し、臨床心理士と協力しながらの心理療法が一般的です。

もしご家族が診断された場合は、悲観しすぎず辛抱強く接してあげてください。他者とのコミュニケーションによって改善する可能性もあります。

この記事の監修医師