脊椎が空洞化…難病「脊椎空洞症の予防法」はご存知ですか?医師が解説!
公開日:2025/12/17

脊椎空洞症は、脊椎が竹輪状に空洞化する難病です。
重症化すると車椅子を必要とすることもあるため、症状に気づいた時点でできる限り早めに治療を受けることが大切です。
では、この病気の具体的な自覚症状とはどのようなものなのでしょうか。また、発症に気づいた場合は何科を受診すべきなのでしょうか。
本記事では脊椎空洞症の日常生活での注意点や予防法にも触れています。
※この記事はメディカルドックにて『「脊髄空洞症」とは?余命・症状・原因も併せて解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
脊椎空洞症の注意点と予防方法

日常生活における注意点はありますか?
- この病気では麻痺・脱力感などがあらわれやすくなります。簡単にいえば身体が自由に動かしづらくなるため、日常生活のさまざまな場面で問題が起こりやすくなります。
- 代表的なのは歩行障害・嚥下障害などです。歩きづらい場合は、杖や歩行器などを取り入れて転倒を防ぎましょう。
- 食べ物・飲み物の飲み下しに問題がある場合は、食べやすい食事を工夫するなどして、誤嚥を防いでください。
- もう1点注意したいのは、温痛覚障害です。温痛覚障害とは、痛み・熱に対する感覚が鈍くなる状態を指します。
- たとえば熱湯に触れても「熱い」と感じにくいため、重大な火傷を負うおそれがあります。
- 温痛覚障害が洗われている方は、無意識のケガ・火傷をしないよう、くれぐれも注意してください。
- また、この病気を発症すると、ささいな動作で電気が走ったような痛みを感じることがあります。
- 代表的な動作はくしゃみ・咳などです。もし特定の動作で痛みを感じる場合は、その動作をできる限り控えるようにしましょう。
予防方法を教えてください。
- この病気を100%予防する方法はありません。たとえば脊椎空洞症の原因の1つはキアリ奇形ですが、こちらは先天性の形態異常であるため防ぎようがありません。
- 一方で、この病気は交通事故・転倒などによる外傷や、なんらかの病気が原因となることもあります。
- 確実な予防方法はありませんが、日頃から病気・ケガに注意して生活することが、間接的な予防につながるでしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 比較的進行がゆるやかな病気であるため、初期には発症に気づかないおそれもあります。
- 稀に自然に進行がストップすることもありますが、ほとんどの場合は、症状を放置すると確実に重症化していきます。
- 最終的には日常生活に支障をきたすこともあるため、できる限り早めに治療を受けることが大切です。
- もし少しでも気になる症状がある場合は、最寄りの脳神経外科・内科や整形外科で検査を受けましょう。
編集部まとめ

脊椎空洞症は国が指定する難病の1つです。早期に治療すれば改善が期待できるため、症状に気づいた時点で早めに病院を受診することが大切です。
質の高い予後を実現するためにも、気になる症状は放置しないようにしましょう。