「扁桃腺肥大」で子供が発症した際の注意点は何か?予防法も医師が解説!
更新日:2025/11/17

喉の粘膜の中で発達した組織の1つが扁桃で、扁桃腺と一般的に呼ばれていますが正式には口蓋扁桃です。口を開けたときに見える喉の両側にあります。 この扁桃が通常よりも大きくなった状態を扁桃腺肥大(扁桃肥大)と呼び、症状によっては治療が必要です。 今回は扁桃腺肥大(扁桃肥大)を発症した際の注意点を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「扁桃腺肥大」とは?症状・原因・子供が発症した際の注意点も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
矢富 正徳(医師)
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東京医科大学病院
保有免許・資格
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
日本耳鼻咽喉科学会認定指導医
日本睡眠学会認定睡眠専門医
日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医
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日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医
扁桃腺肥大の注意点
子供が発症した場合の注意点を教えてください。
- お子さんの場合は、扁桃腺肥大があっても経過観察になることが多いです。ただ、重症化すると空気の通りが悪くなるため、鼻づまり・いびきなどが起こる可能性があります。
- お子さんの場合は、寝起きの悪さ・居眠り・集中力の低下などの症状がないか普段の様子を観察してみてください。
- また、お子さんの場合は扁桃腺肥大のほかにアデノイド肥大を起こしているケースも多いです。
- アデノイド肥大があると滲出性中耳炎や副鼻腔炎に罹りやすくなります。風邪を引いた後、鼻づまりや口呼吸が長引く場合は注意をしましょう。
- お子さんの様子で気になる点がある場合は、小児科や耳鼻咽喉科で相談をすることをおすすめします。
- 扁桃腺肥大の手術は全身麻酔で行うため、お子さんの負担は大きいです。治療内容は、医師とよく相談しメリットだけでなくデメリットも理解した上で決めてください。
予防方法はありますか?
- お子さんの扁桃腺肥大は、生理的なものが多いため予防は難しいです。
- ただ、風邪やインフルエンザなど感染症による扁桃炎を防ぐことで、病的肥大や症状の悪化の予防はできます。
- 食生活や睡眠の質など生活習慣の改善・うがいや手洗いをこまめにするといった、感染症の予防法を意識してみてください。
- 風邪やインフルエンザが流行る季節には特に注意をしましょう。喉が乾燥していると炎症をおこしやすいため、喉が潤った状態をキープするのも効果的です。
家族はどのようにサポートすれば良いですか?
- お子さんが扁桃腺肥大で経過観察とされた場合は、感染症の予防を意識してください。
- 定期的に手洗いやうがいをさせ、マスクをしてウイルスや細菌の侵入を防ぎます。喉が乾燥しないように、水分を摂らせましょう。
- また、免疫力を高める食事で病原体に打ち勝つ身体を作ります。果物・緑黄色野菜・発酵食品がおすすめです。
- そして睡眠を十分にとることで自律神経も安定し、免疫力が高くなります。
- 大人の場合は自分で意識ができますが、幼いお子さんの場合は保護者の方がサポートしてあげましょう。
- 扁桃線肥大で手術をすることになった場合は、お子さんが不安にならないように声掛けをしてあげてください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 扁桃腺肥大はお子さんの場合は生理的なものです。通常なら大きな問題はありません。
- ただ、お子さんは風邪をひきやすいため病的肥大の原因となる扁桃炎には注意をしましょう。
- 扁桃炎が慢性化している場合や気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談をしてください。すぐに手術になるかは扁桃の状態によります。
- まずは、正しい診断を受けて治療を検討することが大切です。手術になった場合はリスクや術後の注意点をしっかり確認しておきましょう。
編集部まとめ
扁桃腺肥大は生活に支障がない場合は、大人もお子さんも治療が必要ないケースが多いです。お子さんなら、時期がくれば扁桃は徐々に小さくなります。
医師から指示がない場合は、感染症に注意しながら経過を観察していきましょう。
ただ扁桃が腫れてよく高熱を頻繁に出す・風邪をひくたびに扁桃炎を起こす・眠っても疲れが取れないなど気になる症状がある場合は治療が必要です。
扁桃腺肥大の症状によって生活に支障がでている場合は、早めに専門医にご相談ください。