「下垂体腺腫の生存率」はどれくらい?予防法と日常生活における注意点も医師が解説!
公開日:2025/12/31

下垂体腺腫は下垂体腫瘍の1つです。多くは成人に発症しますが、子どもから高齢者まで幅広く発症する場合もあります。
腫瘍ということで悪性ではないか、またどのような病気なのか不安に思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は下垂体腺腫の予防法についてお答えしています。
※この記事はメディカルドックにて『「下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)」とは?症状・原因・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
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下垂体腺腫の予防法と注意点

下垂体腺腫の予防方法が知りたいです。
- 下垂体腺腫の原因そのものも不明なところの多い病気のため、予防することもきわめて難しいといえます。ただ定期的に血液検査を行ったり脳ドックを行ったりすることで病気を早く発見することは可能です。急に体重が増え始めた、靴を履くことが困難になってきた、目が見えにくくなったなどおかしいと感じたら早めに受診することが大切です。
- また日頃から食生活など生活習慣の見直しを行い、生活習慣病の予防に努めることが下垂体腺腫の予防につながる場合もあるのでバランスのよい食事や運動を行うようにしてください。
下垂体腺腫の生存率はどのくらいですか?
- 下垂体腺腫はほとんど良性腫瘍なので、命にかかわることは無いといっても過言ではありません。生存率としては10年生存率100%と予後は良好です。ただ腫瘍の大きさが3センチ以上ある場合やホルモン値が正常に戻らなかった場合などは、合併症のために元の健全な生活が送れなくなることもあります。引き続いてホルモンの補充療法や薬物療法を行う必要もあるでしょう。腫瘍がすべて取り除けていない可能性も考慮して、年に1度はMRIを撮り、再発が無いか確認することをおすすめします。
日常生活で注意すべきポイントを教えてください。
- 下垂体腺腫のメカニズムなどまだ不明な点の多い病気ですが、ホルモンが人の身体の栄養分を調節する仕組みになっていることはわかってきています。日常生活で注意すべきことは、生活習慣を見直して、バランスのよい食生活を送ること・肥満・糖尿病・高血圧などに充分注意をすることなどがポイントとして挙げられます。
最後に、読者にメッセージがあればお願いします。
- 下垂体腺腫は良性腫瘍で腫瘍が小さいうちに手術など治療を行うことで完治する病気です。下垂体腺腫が疑われるなら、できるだけ早く実績のある病院に受診して検査を受けるようにしましょう。内視鏡を使う負担の少ない手術が可能なので、あまり怖れずリラックスして受けてください。
編集部まとめ

今回は下垂体腺腫についてお答えしました。
発症の原因やメカニズムは詳しく解明されていない下垂体腺腫ですが、良性腫瘍であり早期に治療を受けることで完治の可能性も高い病気です。
検診や脳ドックで病気が発見されることも多いので、年に一度は検査を行うようにするとよいでしょう。
また日頃から適度な運動やバランスのよい食生活などを心掛けることが発症のリスクを減らすのではともいわれています。
できるだけ過度なストレスを避け、気になることがあれば早めの受診をおすすめします。