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「下垂体腺腫」の手術は”鼻”から行う?検査法や治療法も医師が解説!

 公開日:2025/12/27
「下垂体腺腫」の手術は”鼻”から行う?検査法や治療法も医師が解説!

下垂体腺腫は下垂体腫瘍の1つです。多くは成人に発症しますが、子どもから高齢者まで幅広く発症する場合もあります。

腫瘍ということで悪性ではないか、またどのような病気なのか不安に思う人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は下垂体腺腫の検査・治療方法についても質問にお答えしています。

※この記事はメディカルドックにて『「下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)」とは?症状・原因・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

下垂体腺腫の検査と治療方法

検査する医者

下垂体腺腫の検査方法を教えてください。

  • まず体型や症状から下垂体腺腫が疑われる場合に行われる検査は、下垂体ホルモン値の測定です。ホルモン値に異常が認められた場合はMRIで画像検査を行い、目の異常に対しては眼科で視野検査・視力検査を行います。以前は症状が出てから検査を行うことがほとんどでしたが、最近では脳ドックなどで発見されることも多くなっています。

良性腫瘍が多いのですね。

  • 下垂体腫瘍の中で下垂体腺腫は良性の場合がほとんどです。命にかかわることの少ない腫瘍ではありますが、治療が遅れるとさまざまな症状が出る病気です。早めに治療を行うようにしてください。

治療方法を教えてください。

  • 下垂体腺腫の治療としては次のような方法が挙げられます。
  • 手術治療
  • 薬物治療
  • 放射線治療
  • 機能下垂体腺腫の場合はほとんど手術治療が行われます。非機能下垂体腺腫の場合は視神経に達する・20ミリ以上大きくなっているという場合に手術治療が行われます。薬物治療はプロラクチン(PRL)産生下垂体腺腫の場合行われ、ドーパミン作動薬の投薬による治療となります。放射線治療に関しては心臓に病気のある人や体力の落ちている人に定位放射線治療を行うとしていますが、実際にはほとんど無いと考えてよいでしょう。

下垂体腺腫手術について教えてください。

  • 下垂体腺腫手術には次の3種類の手術があります。
  • 経蝶形骨洞手術
  • 開頭手術
  • ハーディー手術
  • 経蝶形骨洞手術は下垂体腺腫ではよく実施される手術方法です。鼻の穴から頭の中にある腫瘍を取り除く手術で、内視鏡による手術が一般的です。腫瘍の大きさによっては開頭して腫瘍を取り除く場合もあります。ハーディー手術は歯茎を切開して腫瘍を取り除く手術です。この手術は痛みを伴うなど患者の負担が大きいためほとんど行われることのない手術です。
  • 手術で完全に腫瘍を取り除けた場合は再発はほとんどありませんが、少しでも残った場合には再発の可能性が0ではありません。手術後は定期的に画像検査や血液検査を行い再発を防ぐようにしましょう。

編集部まとめ

笑顔の女性
今回は下垂体腺腫についてお答えしました。

発症の原因やメカニズムは詳しく解明されていない下垂体腺腫ですが、良性腫瘍であり早期に治療を受けることで完治の可能性も高い病気です。

検診や脳ドックで病気が発見されることも多いので、年に一度は検査を行うようにするとよいでしょう。

また日頃から適度な運動やバランスのよい食生活などを心掛けることが発症のリスクを減らすのではともいわれています。

できるだけ過度なストレスを避け、気になることがあれば早めの受診をおすすめします。

この記事の監修医師

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