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20代〜50代に多い「下垂体腺腫」とは?見逃せない症状と原因を医師が解説!

 公開日:2025/12/23
20代〜50代に多い「下垂体腺腫」とは?見逃せない症状と原因を医師が解説!

下垂体腺腫は下垂体腫瘍の1つです。多くは成人に発症しますが、子どもから高齢者まで幅広く発症する場合もあります。

腫瘍ということで悪性ではないか、またどのような病気なのか不安に思う人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は下垂体腺腫について解説していきます。また原因や症状についても質問にお答えしています。

※この記事はメディカルドックにて『「下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)」とは?症状・原因・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

下垂体腺腫の症状と原因

医者の診察

下垂体腺腫とはどのような病気でしょうか?

  • 下垂体腺腫は下垂体腫瘍の1つです。下垂体の細胞が腫瘍となったものでそのほとんどは良性といわれます。下垂体腺腫は「機能性下垂体腺腫」と「非機能性下垂体腺腫」の2種類に分けられます。「機能性下垂体腺腫」は下垂体においてホルモンの分泌を行う細胞が増えることでできる腫瘍です。
  • 対して「非機能性下垂体腺腫」はホルモンの分泌に関わらない腫瘍です。「機能性下垂体腺腫」ではホルモンの数値が上昇することが特徴になります。さまざまな症状や病気に関わるのは「機能性下垂体腺腫」で「非機能性下垂体腺腫」は目の異常のみに関わります。そのため「非機能性下垂体腺腫」の場合は経過観察を行うことが多いのです。ただ視神経を圧迫するほど腫瘍が大きくなる場合には手術などの治療が行われます。

どのような人が発症しますか?

  • 下垂体腺腫は主に20代〜50代の成人に多く発症します。発症の詳しい状況についてはあまりよくわかっていないのが実情です。ホルモンの種類によっては不妊症の原因になる場合もありますが、女性も男性も発症します。

成人に多いのですね…。

  • 多くは成人に発症するといわれています。ただ子どもや高齢者も発症する場合があるため、一概には言えません。発症については解明されていないことが多く、腫瘍のできるメカニズムも解明されていないのです。これは言い換えれば誰にでも発症し得るということにもなります。

下垂体腺腫の原因を教えてください。

  • 原因については今のところはっきりとしていないのですが、下垂体に腫瘍ができることが原因で身体機能に何らかの異常が起こるとされています。腫瘍によりホルモンが過剰に分泌されることで、さまざまな病気を引き起こすのです。

下垂体腺腫の症状を教えてください。

  • 身体機能の異常は過剰に作られるホルモンの種類により違ってきます。症状もそれぞれ違っており、ホルモンの種類ごとに付けられる病名や症状には次のようなものがあります。
  • 目の異常
  • 先端巨大症(末端肥大症)
  • クッシング病
  • 高PRL血症
  • それぞれについて症状を詳しく解説していきましょう。まず目の異常ですが、下垂体の周囲に腫瘍ができることで視神経を圧迫し視野が狭くなり最悪は失明にいたる場合があります。下垂体腺腫が成長ホルモンを過剰に作ることで現れる病気が先端巨大症(末端肥大症)で、手足・顎などが大きくなるのが特徴です。副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されると頬・肩・首・腹に異常に脂肪が付き手足は細いという体型になります。これがクッシング病です。
  • プロラクチン(PRL)が過剰に出て高PRL血症になると排卵不順・月経異常などを引き起こし不妊の原因になる場合があります。先端巨大症やクッシング病は糖尿病・高血圧の精密検査によって判明することがあるほど下垂体腺腫そのものは自覚しにくいのです。このように過剰に作られるホルモンの種類で現れる症状が違うのも下垂体腺腫の特徴になります。

編集部まとめ

笑顔の女性
今回は下垂体腺腫についてお答えしました。

発症の原因やメカニズムは詳しく解明されていない下垂体腺腫ですが、良性腫瘍であり早期に治療を受けることで完治の可能性も高い病気です。

検診や脳ドックで病気が発見されることも多いので、年に一度は検査を行うようにするとよいでしょう。

また日頃から適度な運動やバランスのよい食生活などを心掛けることが発症のリスクを減らすのではともいわれています。

できるだけ過度なストレスを避け、気になることがあれば早めの受診をおすすめします。

この記事の監修医師

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