「椎間板ヘルニアの予防法」はご存じですか?治療後の注意点も医師が解説!

日本人の国民病などといわれることも多い腰痛に、長年悩まされているという方も多いのではないでしょうか。
腰痛の原因ははっきりしないことも多いものの、腰椎椎間板ヘルニアが原因のケースもあります。
椎間板ヘルニアは、椎間板の内部にある髄核が飛び出し、近くの神経を刺激することで痛みやしびれなどが出る病気で、腰椎だけではなく頸椎や胸椎で起こることもあります。
発症する年齢としては、20代から40代の比較的若い男性に多いのが特徴です。
今回は、椎間板ヘルニアの注意点や予防の方法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「椎間板ヘルニア」のやってはいけないこと・痛みを和らげる方法はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
椎間板ヘルニアの注意点と予防方法

椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法を教えてください。
- 発症してから数日の急性期で炎症を起こした状態の時には、冷湿布やアイスバッグなどで患部を冷やすと痛みを和らげることができます。慢性的になった椎間板ヘルニアの場合は、温湿布や温熱療法などで筋肉組織をほぐしたり、血行を促進したりすることで痛みを和らげましょう。
治療後の過ごし方で注意することはありますか?
- 良くない姿勢を続けることによって、椎間板ヘルニアの症状が悪化する可能性があります。背中を丸めた姿勢は背骨に負担がかかりやすくなるので、姿勢を正すことを心掛けましょう。デスクワーク時に背もたれに寄りかかる姿勢もよくないため注意が必要です。
- また、荷物を持ち上げる時などには、腰に負担をかけないように膝を曲げて持ち上げるようにしましょう。
椎間板ヘルニアのストレッチ法を教えてください。
- 椎間板ヘルニアの改善にはストレッチも有効ですが、痛みがある時には無理に行わないように注意してください。ストレッチを行う時には痛くなるまで伸ばさずに、気持ちいい程度で止めるようにしましょう。
- 仰向けに寝て両膝を立てます
- 両方の膝を揃えた状態で脚を横に倒します。このとき、肩が浮かないように注意しましょう
- その状態のまま10秒キープします
- 左右各10回程度行います
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
- 椎間板ヘルニアは発症当初は痛みが強いものの、一般的には数ヶ月で症状が軽快していくケースも多いです。もう治らないのではいかという気持ちになってしまう方もいるかもしれませんが、あまり悲観的にならずに治療を続けていってください。普段の姿勢や動作に気を付け、生活習慣を正すことも意識して日々を過ごすようにしましょう。
編集部まとめ

椎間板ヘルニアは、椎間板に何らかの理由で亀裂が入り、飛び出した髄核が近くにある神経を刺激して痛みが生じる症状です。
一般的には腰椎に起こることが多いですが、頚椎・胸椎で発症するケースもあります。
症状は痛みやしびれ・排尿困難などで通常は保存療法を行います。痛みの改善が見られない場合や、麻痺・排尿困難などがある場合には手術を行うこともあります。
安静にし過ぎると筋肉が硬くなることなどによって余計に痛みが生じることもあるため、適度に運動を行うことも大事です。
ストレッチやウォーキングなど、無理のない運動を取り入れてみてください。
腰痛や脚のしびれ・首や肩の痛みがあり椎間板ヘルニアが疑われる場合には、整形外科を受診しましょう。