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「頚椎損傷の予防法」は何かご存じですか?後遺症についても医師が解説!

 公開日:2025/11/15
「頚椎損傷の予防法」は何かご存じですか?後遺症についても医師が解説!

頸椎に損傷が起きると、首が傷んだり動かしにくくなったりします。最悪の場合、四肢が麻痺状態となり動かせなくなる恐ろしい病気です。

スポーツや交通事故などで起きる可能性がある病気で、誰しもリスクがあります。そのため、万が一患ったときのためにも正しい知識を備えておく必要があるでしょう。

そこで本記事では、頸椎損傷の後遺症や予防方法について詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「頚椎損傷」とは?症状・後遺症・リハビリについても解説!医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

頚椎損傷の予後と予防方法

首を痛めた男性

頚椎損傷の後遺症は残りますか?

  • 後遺症は、損傷した位置によっても大きく異なるため、注意が必要です。損傷個所が首の下の方の場合、軽度な麻痺で済む場合があります。弱い力でも動かせる状態です。
  • しかし、首の上の方で損傷があった場合には、完全に麻痺し全く動かせないケースもあります。
  • また、呼吸も自分の意志では十分に行えないなどの状態になる可能性があります。後遺症は損傷の状態によっても異なりますが、万が一の場合は命にかかわるケースもあるのです。

完治するのでしょうか?

  • 一度、脊髄・頸椎を損傷すると管理は難しいとされていました。しかし、現在は再生医療による治療で治る可能性があるといわれています。
  • これまでは、重度の麻痺の場合は設備が整った施設にて、支援を受けながらの生活を行っていくことしかできませんでした。損傷した部位を元に戻す方法がなかったためです。
  • しかし、再生医療による治療であれば、もとの機能を取り戻すことが可能と考えられています。
  • まだ全ての症例で完治が実証されているわけではないですが、完治の可能性はゼロではないでしょう。

頚椎損傷の予防方法はありますか?

  • この病気の予防方法としては、とにかく原因となりえることを避けるという方法です。
  • 頸椎損傷となる原因は、先述した通り交通事故・スポーツによる怪我・転倒などがあります。交通事故は、自分では避けようがないこともあるでしょう。
  • しかし、スポーツによる怪我や転倒はある程度自分で防ぐことが可能です。特に転倒は高齢者に多いため、できるだけ転倒の原因となる段差を避けることがポイントです。
  • また、後縦靭帯骨化症のような病気は、定期的な検査で症状が出る前に発見できます。
  • 健康診断の項目などにも入っているケースがあるため、定期的な検査で健康状態を知っておくことも予防につながるでしょう。

治療後に気をつけるべきことについて教えてください。

  • 治療後に注意すべきポイントとしては、損傷がさらに広がることを防ぐという点です。
  • 手術など治療を行えば損傷による麻痺所見は予防できると考えがちですが、損傷に伴う麻痺症状は悪化する可能性があります。
  • そのため、医師からの指示があるまではしっかりと固定して動かさないようにする必要があるのです。
  • また、リハビリができるようなタイミングになれば、積極的にリハビリに取り組むことも注意すべきポイントです。
  • 少しでも、以前の日常生活に近いレベルに戻るためには、リハビリは欠かせません。また、リハビリはベッドでの床ずれ防止などにも繋がります。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • 頸椎損傷は、体の中でも繊細な部位であり、傷つくようなことがあれば手足が麻痺するなど恐ろしい病気です。
  • 軽度なものであれば、以前の生活に近いレベルまで治すことはできますが、重度の場合は完全に身体が動けないケースもあります。
  • しかし、決して完治する見込みがないわけではなく、再生医療による治療など期待できる治療方法があります。
  • 正しい知識を身につけておき、万が一の際にはあきらめることなく治療に向けて進んでいきましょう。

編集部まとめ

男性医師

手足が麻痺するだけでなく、最悪の場合は呼吸も困難になる可能性がある頸椎損傷は、怪我や交通事故などを原因として起こる病気です。

誰しもかかる可能性のある病気であり、命にも関わるため大変恐ろしい病気でもあります。しかし、リハビリなど適切な治療を進めれば、ある程度回復する可能性も高いです。

正しい情報を身につけ、まずはこのような病気にならないように予防に努めましょう。また、万が一発症した際には、積極的に治療・リハビリを行って改善を目指しましょう。

この記事の監修医師

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