「デング熱」は発症してから”何日で治るか”ご存じですか?予後を医師が解説!
公開日:2025/12/20

2014年、69年ぶりに日本でもデング熱の感染例が報告されました。近年日本国内での感染者はいませんでしたが、全世界でみると毎年1億人もの人が感染しています。
2020年にも再び感染例が報告されています。日本ではそこまで感染は広がっていませんが、いつまた流行するか分かりません。
万が一、感染しても慌てることがないようデング熱の予後と予防方法について解説します。ぜひ参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「デング熱」とは?症状・感染経路・治療法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
デング熱の予後と予防方法

デング熱は何日くらいで治りますか?
- 発症してから3~4日程経つと赤い発疹が出始め、約1週間で治ります。
- 先ほど出血などがある場合は死亡する可能性があるとお話しさせていただきましたが、発熱して2~7日後に症状が出ることがあります。そのため、熱が下がってもしばらくは様子を見た方が安心です。
- 回復し始めると疲労感やうつ状態が続くこともあります。しかしデング熱の場合、症状が治まるとすぐに回復していくという特徴もあります。ですので、回復が始まったらそこまで心配する必要はないでしょう。
後遺症はありますか?
- 熱・発疹などの症状が出るため、後遺症が心配になる方も多いでしょう。
- しかし安心してください。体内からデングウイルスがいなくなれば症状はおさまり、後遺症も残りません。
デング熱の予防方法を教えてください。
- 感染症はワクチンを打つことで予防することができる場合もあります。しかし残念ながら、デングウイルスに効果のあるワクチンはありません。
- そのため、予防方法としては蚊に刺されないようにすることが大事です。海外旅行などでデング熱が流行っている地域へ行かれる際はとくに注意しましょう。
- できるだけ、長袖・長ズボンを着るようにしてください。虫よけスプレーなどを使うのも有効です。
- 蚊を発生させないように対策を取るのもおすすめです。水たまりがあると蚊が発生しやすいので、家の周りに水たまりがないかをチェックしてみてください。植木鉢の受け皿・バケツなどは水が溜まりやすいので気を付けましょう。
- デング熱に感染した方も感染を広げないために、蚊に刺されないように対策をしっかりととってください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 感染症と聞くと多くの方が不安になるでしょう。デング熱のように普段は耳にしない病名を聞くと、ことさら不安や恐怖を感じるのではないでしょうか。
- しかし重症化するリスクは低く、万が一重症化しても適切な処置を受ければ治ります。後遺症も残らないので、安心してください。
- ただ注意点として、免疫はできないということを忘れないでください。ウイルス系の病気は一度感染すると免疫ができると考える方はとても多いです。しかしデングウイルスは4種類あるため、免疫ができにくいのです。
- 同じウイルスなら症状は軽くてすみますが、種類が違うと重症化してしまう場合もあります。そのため、一度デング熱に感染したからといって油断しないでください。
編集部まとめ

デング熱についてみてきましたが、症状などをみるとインフルエンザととても似ていることが分かります。そのため、見落としてしまう可能性も高いです。
重症化するリスクは低いですが、それでもしっかりと検査してもらうことは大事です。
・流行している場所へ行った
・蚊に刺されてから症状が出た
これらに心当たりがある場合は迷わず、お近くの医療機関を医療機関を受診した方が良いでしょう。
デング熱の場合は赤い発疹も出るので、発疹の有無も見分けるポイントとなります。