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「癜風(でんぷう)」を発症すると「皮膚」にどんな症状が現れる?【医師監修】

 公開日:2025/12/13

「背中や胸に丸い茶色のシミが出てきている」そのようなお悩みの方を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その症状は、癜風(でんぷう)かもしれません。難しい漢字の病名ですが、一般的に「なまず」とよばれることもあります。

痒み・痛みなどの症状がないため受診のタイミングがわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、この記事では癜風の原因・症状などをご説明します。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

※この記事はMedical DOCにて『「癜風(でんぷう) 」とは?放置するとどうなるか・原因・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

癜風の特徴

首がかゆい男性

癜風とはどのような病気なのか教えてください。

  • 「なまず」とよばれることもある癜風ですが、聞きなれない方も多いかもしれません。癜風とはマラセチア菌(癜風菌)というカビが皮膚に増殖した真菌感染症のことです。癜風菌は皮脂の分泌の盛んな部位に存在しています。癜風菌は皮膚に常在している菌で通常無害ですが、一部の人は癜風の症状が出ます。なぜ人によって癜風菌が増殖するかのメカニズムは解明されていません。感染した多くの人は健康ですが、マラセチア菌は高温多湿の環境下で増殖しやすい性質を持つため汗をかきやすい体質の方に発症しやすいと考えられています。また発症しやすい遺伝的要素があるともいわれているのです。症状としては黒や薄い茶色の斑点が体にできます。汗をかく機会が多い夏場によく症状が表れるのが特徴です。

どのような症状がみられますか?

  • シミによく似た平らな斑点が胸・背中・脇・首・腕などの皮膚に出てきます。顔面や腹部に発生する症例もあります。大きさは様々で、色は黒・淡い茶色・白い場合もあるのです。黒・茶色の斑点を黒色癜風・白い斑点を白色癜風とよびます。まれにピンク色の斑点が出る場合もあるのです。症状がすすむと丸い斑点が融合して大きく広がることもあります。痒みはないとされていますが個人差があり痒みを訴えるケースもあります。斑点の表面は皮がむけてカサカサとしている鱗屑を伴ったものが多く、こするとフケのような白い粉状のものが出るのが特徴です。また斑点部分は日焼けをしないので、夏の日焼けにより皮膚が黒くなることで患部が目立ち症状を自覚する方も多くいます。プール・海水浴などで皮膚の露出が多くなる時期に患部の色むらが目立つのではないかと悩んでいる方も少なくありません。癜風の症状が出たら皮膚科を受診し、早期治療を開始しましょう。

癜風の原因を教えてください。

  • 癜風は暖かい春から夏に多く発症します。癜風の原因菌であるマラセチア菌はカビの一種で湿度を好み、体内の蒸れやすい部位で増殖します。またマラセチア菌は皮脂を栄養分としているため、皮脂がでやすい部位に増殖し症状が出るのです。高温多湿の梅雨時期や夏場に、汗をかいて蒸れる部位・皮脂の過剰分泌が起こりやすい部分にマラセチア菌が増えることが原因と考えられています。癜風の予防のため、暑い時期は通気性のよい衣服や下着を着用するなどの肌の乾燥を保つ工夫をしておきましょう。

どのような人が発症しやすいのでしょうか?

  • 癜風は性別・年齢を問わずに発症します。とくに汗をかきやすい健康な成人男性や脂性肌の方に多いとされており、肥満の方にも多い病気です。汗をかく機会が多いスポーツをする方にもよく症状が出るのです。そのほか免疫抑制剤を使用されている方や糖尿病の方にも症状が表れることがあります。顔面・頭部のマラセチア菌の異常増殖は脂漏性皮膚炎の病態とも関連があるのではないかといわれています。

編集部まとめ

汗を拭く男性
癜風は汗をかくことで発症しやすくなります。原因は皮膚の常在菌であるマラセチア菌の増殖です。

癜風は聞きなれない病名ではありますが、一度症状が出てしまうと再発することが多いのも特徴です。また、癜風の予防のためにできることもあります。
・汗をかいた時はシャワーをあびるかタオルで拭き取り清潔を保つ
・汗で濡れた衣服はすぐに着替える
・通気性のよい下着や衣服を着用する
市販の抗真菌剤が配合されているボディーソープの使用も有効です。もし、体に斑点の症状が出た場合は早期に治療を開始しましょう。

斑点が消失したあとも、医師の指示に従い治療を継続していきましょう。

この記事の監修医師

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