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「血痰を放置すると何のリスク」が高まるかご存知ですか?緊急性が高い症状も解説!

 公開日:2025/11/18
「血痰を放置すると何のリスク」が高まるかご存知ですか?緊急性が高い症状も解説!

血痰とは、痰に血液が混じることです。突然症状が出たことがある方もいるのではないでしょうか。

血痰は実は重大な病気の可能性もあり、あらかじめ緊急性が高い症状であるかなど正しい情報を押さえておく必要があるでしょう。

そこで本記事では、血痰の治療方法と注意点について解説するので、参考にしてください。

※この記事はメディカルドックにて『「血痰(けったん)」とは?症状・原因・治療方法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

血痰の治療方法と注意点

診察する医者

血痰の治療方法を教えてください。

  • 治療方法についても、検査方法同様に症状によって変化します。出血が少ない場合には、気道の表面が炎症を起こして小さな傷によって発症している可能性が高いです。そのため、そのままでも自然に治っていくでしょう。一方、気管支炎や肺炎などが原因の血痰であれば、それらの原因となっている病気の治療を行います。

放置した場合はどのようなリスクがありますか?

  • 主な原因である風邪の場合は放置していてもある程度時間が経てば治る可能性が高いです。しかし、原因が重い病気の場合、放置すると恐ろしい病気の悪化を招く恐れがあります。例えば、肺がんの場合、放置しておくと各部へのがんの転移や肺からの出血も増える可能性があります。肺結核の場合であれば、症状がますます悪化してしまうため放置は決して行ってはいけません。軽度なものであればリスクは少ないかもしれませんが、目に見える症状から自分で判断するのは危険なため、受診目安をもとに医療機関に相談しましょう。

緊急性が高い症状を教えてください。

  • 大量に喀血した場合は窒息する可能性があり、早期に対応が必要であるなど緊急性が高くなります。すぐに気管支鏡検査を行って出血箇所を探し、出血箇所が判明した後は止血剤を注入する方法や、窒息を防ぐための気管挿管を行います。また、出血した血液が肺の中に残ってしまっている可能性も高いです。その場合は、肺での酸素の吸収が十分に行われないため、酸素吸入や人工呼吸器によって治療を行う必要があります。さらに、場合によっては、血管に詰め物をして止血する処置が必要となるケースもあります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

  • 血痰は、風邪などから誰しも発症の可能性がある症状です。普段から、気管には沢山の血管があり血液が流れているため、少しの傷で生じる可能性があります。しかし、決して楽観視できるような症状ではなく、恐ろしい病気の症状の1つである可能性も高いです。肺がんや肺結核を代表として、多くの肺や気管支系の病気の症状である可能性があります。自己判断で放置して悪化を招かないためにも、症状が現れた段階で早いうちに医療機関へ相談しましょう。

編集部まとめ

吐き気を感じる女性
血痰は、痰に血液が混じる症状です。主な原因は風邪であることが分かってはいますが、恐ろしい病気の症状である可能性もあります。

その判断のためには、血液の量や喀血・吐血との違いなど、正しい知識を身につけておくことが必要となります。

重大な病気を悪化させないためにも、病気の種類や受診の目安など情報を把握しておき、万が一に備えておきましょう。

この記事の監修医師

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