「外痔核の治療」に手術は必要かご存じですか?予防法も医師が解説!
公開日:2025/12/13

外痔核とは、通称いぼ痔の一種であり、突然できて悩んでいる方も多いでしょう。痛みが伴い座ることも困難になるケースもあります。
いぼ痔という言葉であればよく聞くため、原因や治療法などが気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、外痔核の治療法や治療後の過ごし方も併せて解説するので参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「外痔核」とは?治療法・原因・薬についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
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外痔核の治療法や過ごし方

外痔核の治療法が知りたいです。
- 外痔核の治療方法としては、軽度のものであれば軟膏を使ったセルフケアで治療可能です。軽度かどうかの判断は外痔核のサイズで見極めましょう。小さなサイズであれば、血流改善の効果をもつ軟膏を塗ることで治療を行えます。また、生活習慣を見直すことも治療方法の1つです。生活習慣を改善することで、血流を良くし、うっ血を防ぎます。
外痔核は手術が必要な場合はあるのでしょうか?
- 生活習慣の見直しや軟膏で早期に解決が見込めない場合には、手術が必要となるケースもあります。特に、薬を使っても出血が治まらない場合などは手術が必要です。その際には、専門の消化器内科・消化器外科・肛門科などの診療科目で切除手術を受けましょう。代表的な切除手術としては、患部を糸を縛って切除する痔核結紮術などが挙げられます。
治療後の過ごし方や予防方法を教えてください。
- 手術による治療を行った際には、傷の痛みが発生し排便が難しい場合があります。そのため、治療後は痛み止めや下剤を使って排便をサポートしながら過ごすようにしましょう。また、傷口から出血する可能性もあります。ポタポタ垂れるほどの出血である場合には血を止める処置が必要なため、手術を受けた病院に連絡しましょう。
- 予防方法としては、便通に良い生活を送ることです。腹圧が伴うような排便をしなくて良いように、生活習慣を見直すことが必要です。また、長時間座り続ける人は血流が滞り外痔核になりやすいため、仕事で避けられない方はクッションなど工夫して座るようにしましょう。
- 適度に肛門を締めたり緩めたりする運動をすることも予防につながります。排便時も注意すべきポイントです。力を入れすぎず、1回の排便を5分以内で済ませるようにしましょう。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
- 外痔核は個人差はありますが、誰でも起こる可能性のある病気です。特に激しい痛みを伴う外痔核の場合は、日常生活にも大きな影響を与えるため非常につらいです。市販の薬での対応でも治療を行うことは可能ですが、悪化する前に適切な治療を行うためにも、受診のタイミングなども押さえておきましょう。また、外痔核の原因となる血流の悪化や腹圧は、生活習慣を見直すことでも改善できます。外痔核が心配な人は、排便時の予防法なども実践して、発症しないようにしましょう。
編集部まとめ

外痔核はいぼ痔の一種であり、人によっては座ることが辛く感じるほど、激しい痛みを伴うケースがあります。
腹圧がかかることで血流が悪化し血栓ができるため、誰しも起こる可能性がある病気です。特にデスクワークなど座って作業をする時間が長い方や力仕事をする方は注意しましょう。
市販の薬での治療は不可能ではありませんが、外痔核による不快感が大きい場合やセルフケアで改善が見られない場合は、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。
参考文献