目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「疲労骨折の治療中」に何を行うのがNGかご存じですか?予防法も医師が解説!

「疲労骨折の治療中」に何を行うのがNGかご存じですか?予防法も医師が解説!

 公開日:2025/12/11
「疲労骨折の治療中」に何を行うのがNGかご存じですか?予防法も医師が解説!

人生100年時代といわれている現代、病気はもちろんですがなるべく大きなけがもしないように過ごしたいところです。

特に骨折やひびなどの骨のけがは後遺症が残る場合もあるためスポーツ時などには注意が必要です。

しかし、骨折のリスクはスポーツなどの外的刺激以外にも潜んでいることをご存じでしょうか?

実は骨折には疲労骨折という外的刺激以外による原因で起こるものもあるのです。今回はそんな疲労骨折について紹介していきます。

治療中の過ごし方についても紹介していくのでぜひ健康な体づくりの参考にしてみてください。

※この記事はメディカルドックにて『「疲労骨折」とは?症状・治療法・治療期間も併せて解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

疲労骨折の治療中・完治後の過ごし方や予防方法

手に包帯を巻かれる男性

疲労骨折の治療中の過ごし方を教えてください。

  • 疲労骨折の治療中はスポーツなどの運動は当然中止です。行っても患部に負荷のかからない筋トレなどを行ってください。
  • 医師から運動の許可がおりた後も入念なウォーミングアップを行い、やわらかい地面での軽い運動から始めます。その後、活動時と休息時共に痛みを感じなくなったら競技への復帰となりますが、ここまでにかかる期間は平均的に2ヶ月程度です。
  • 疲労骨折になってしまったときに大切なことは完全に治して再発防止に努めることです。こうすることで慢性化を防げます。

完治した後にリハビリは必要ですか?

  • 再発防止のためにもリハビリは必要です。理学療法士の指導の下、徐々に体を動かしていくことで適切な運動量やトレーニングも知ることができます。日常生活指導などもしてもらうことで疲労骨折の再発防止に結び付くのです。

疲労骨折を予防する方法を知りたいです。

  • 疲労骨折の予防の方法としては骨に負担のかからないトレーニングや適切な栄養素の摂取が挙げられます。運動前には必ず適度なストレッチを行い、食事には丈夫な骨を作り出す栄養素を取り入れましょう。丈夫な骨づくりにおすすめな栄養素としては以下の3つが挙げられます。
  • たんぱく質
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 肉や魚、大豆製品などに多く含まれるたんぱく質はコラーゲンを含み、カルシウムと合わさることで丈夫な骨を作ってくれます。過剰摂取に気をつけ、サプリメントなども併用することでより効率的に摂取することができるのです。丈夫な骨づくりの栄養素として広く知られているカルシウムは牛乳やヨーグルトなどの乳製品から吸収されやすいため、おすすめの成分です。さらにそのカルシウムの半分量のマグネシウムを摂取することで体内の栄養バランスが丁度良くなるといわれています。このようにトレーニング方法だけではなく、日々の食事も配慮することでより疲労骨折の予防になります。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • 通常の骨折に比べて痛みも弱く、見た目も分かりにくいため医療機関の受診を後回しにしてしまう人も少なくない疲労骨折ですが、放置すればするほどにダメージは蓄積されて治療期間も長引きます。早期発見によって治療期間も最小限にとどめることもできるため、慢性的な痛みに気づいたらすぐに医療機関を受診しましょう。また、疲労骨折の治療は完全に痛みがなくなるまで続けて完治後もトレーニングや食事、生活習慣に気をつけて再発防止に努めましょう。

編集部まとめ

ジャンプする女性

今回は疲労骨折について紹介してきました。骨折とつくものの、骨折という名がつくものの、通常の骨折とは違って放置されることも少なくないが故に重症化するケースも珍しくありません。

重症化すればするほど治療期間は長くなります。疲労骨折に限らず、体に異常を感じたら速やかに医療機関を受診しましょう。

疲労骨折の要因はスポーツだけではなく、喫煙習慣や日々の食生活などを含む生活習慣も関わってきます。この機会に、生活習慣や食事内容を一度見直してみると良いかもしれません。

この記事の監修医師

注目記事